フル在宅勤務、5年目の記録
2020年1月に現職へ入社し、フルリモート勤務も5年目に突入した。
早かったような、途方もなく長かったような。このnoteは1年半も更新できていなかったが、私は変わらずフルリモートでとても元気に働いている。
(24.1月に開催した地方銀行のユーザー交流会レポ)
noteの更新をしなくなったのは、元気だからだ。
過去に書いた働き方に関するnoteは、ありがたいことに今でも時々いいねの通知が届く。通知からアカウントを見に行くと、ほとんどは女性で、お子さんがいて、仕事について悩んでいる。
「働きたいし、子育てもしたい。でもできない」
「そもそもリモートokの仕事がない。あっても東京のオフィスに週1出社とあって応募すらできない」
「フルリモ・フルフレなんて会社は夢」
noteやXでそんな言葉を目にする度々、歯痒くて、泣きたくなる。
フル在宅勤務という働き方が当たり前の選択肢となれば、子育てや介護、障碍などの制約条件があっても働き続けられる人が増えるはず。田舎に住んで子供を育てる私は実験台となり、それを世の中に発信したい。過去の自分に似た誰かを救いたい。そう思ってこのnoteを始めた。
その後、コロナ禍が追い風となり、フルリモートの採用は一気に増えた。弊社にも遠方からたくさんの応募があり、想いを同じくする仲間を得て、場所に関係なく一緒に働けて、心から嬉しかった。
ところが、コロナ禍が明けた世の中は、そんな時代が無かったかのように出社へ回帰している。フルリモートの求人は減り、週2-3日は出社必須というスタイルがスタンダードになった。コミュニケーションを大切にしている弊社も、現在は原則週2出社だ。
私は愛知在住のため、今も変わらず自宅から働かせてもらえている。まずそれを感謝すべきだし、私自身もお客様先への訪問や半期に1度の出社をすごく楽しみにしているから、対面にはやっぱりオンラインでは越えられない価値があるんだろう。(個人的には、重要な局面では対面コミュニケーション・日常は頻度高く非対面コミュニケーションが理想だと思っている)
それでも、制約条件のある人が働く選択肢は、社会の中で閉ざされてしまったんだろうか?あのタイミングで入社していなければ、私は東京への週2出社という壁に直面し、今も地元でモヤモヤしながら働いていたんだろうか?
ふとした時にそう考えると心が沈む。いまの私に一体何が書けるというのだろう。ラッキーパンチで甘い蜜を吸って、何が社会に貢献なんだろう。そうして、何も書けなくなってしまった。
いまの会社に入る前、家から徒歩圏内にある某企業の面談を受けたことがある。白髪のおじいさんに「なるほど、お子さんがふたり。だからお給料は少なくても、残業なく働きたいんですね」と満面の笑みで言われた。
(全然ちがいますよ、子どもが2人いて、だからかそ意義のある仕事がしたいんです。お給料もしっかり稼ぎたいです。お迎えの時間に間に合う場所にあって、フルタイムで働けるのは御社しかなかったんです。給料やっすい!つらい!って思ってます。)
とは言わずに笑顔で選考を辞退した。
「そこそこでもいい」
そう言わせているのは何なのか。そこそこで良いはずないじゃない?ずっと一生懸命働いてきて、子供を2人産んで、そしたらキャリアを横に置いて、まるで自分の価値が下がったような年収に喜んで合意したい人、存在するんだろうか。
現職には、新卒から10年勤めた会社の年収の半分で入社し、4年経ってようやく8割程度まで戻すことができた。入社時の希望だったCS職として、フルリモート・フルタイム・フルフレックスで働いている。大量採用のタイミングで滑り込み、会社に理解があった。しかしその間も、夫は一度もキャリアの危機を感じることなく、勤続20年を迎えている。シンプルになんか腹が立つ。
夫には日常的に文句を言っているが、それでも夫のキャリアの邪魔はしたくない。そうして自分が我慢して、もっと働きたいとか、もっと子供と向き合いたいとか二転三転しながら燻る。そんな人が、日本中のあちこちに数え切れないほどいると思っている。
前置きが長くなったが、少しずつまたnoteを書こうと思う。この間、名古屋のスタートアップ拠点が主催する「エフェクチュエーション」のワークショップに参加して、目の前の霧がほんの少しだけ晴れた。
「女性(制約条件のある人)が働き続けられる社会にしたい」
大きく考え過ぎて、私なんぞに一体何ができるんだろう?いや何もできない、とずっと悶々としていた。
まずは、小さく転がすこと。私がすぐにできるのはnoteを書くことだから。何を書いたら、閉じかけているドアをもう一度開けることができるだろうか。何を書いたら、制約条件があっても働き続けられる社会に一歩でも近づくことができるのだろうか。
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