ベンチャーに転職して「変化」の波に立ち向かったら、途中で海猿になって1年で視界が変わった
「変化」と聞いて、ポジティブな印象を持てるようになった。
「ぎゃあ」とは未だに日々思うけれど、5秒後には「どんとこい!」という気持ち。転職して1年、それが素直にうれしい。
私は新卒で入社した大手企業(某そのへんによく居る広告営業)から、中小企業(製造系人材派遣)、そしてベンチャーへと2回目の転職。オンライン営業システムを提供するベルフェイスに、フル在宅勤務のインサイドセールスとして入社した。
元々安定志向で、「ザ・ふつう」の予想できる人生を「せっかちに前倒しで取り組む」というスタンスで生きている。
それなのに、この1年は安定とは程遠かった。ぐわんと時空がねじれるかのごとく、働く場所も業務内容も、仕事に対する考え方も、自分への期待も、大きく「変化」した1年だった。
「変化しない」という選択肢は無い
今でも良く覚えている。
入社から1ヶ月ほど経った、2020年2月のある日。
「あの、私入社してから1週間以上同じ業務したことないんですけど。せめてもう1週間、同じことさせてもらえないもんですかね?」
担当業務がすぐ変わることにモヤモヤしていた私は、当時仕事を教えてくれていたKさんにそう言った。
すると、彼はにっこりと笑って、自信たっぷりにこう言ったのである。
「岡崎さん、大丈夫ですよ!僕もそうでした!」
有無を言わさぬ満面の笑み。
交渉の余地なし…!そうか、ここには「変化しない」選択肢は無いんだ。「変化に慣れる」しか無いんだ、と妙に納得した。
すべきことは、「変化を脊髄反射で受け入れて、慣れて、とにかく成果を出す」それだけ。
たしか、展示会リードへのコール業務から初めて、リードソース、新しいプロジェクト…週ごとに一緒に働くメンバーも変わっていた。
さらに、私は初のインサイドセールス業務に昭和のテレアポマインドで挑んでいて、かなり要領の悪い状態からスタート。同僚に助けてもらいながら慣れて、2月は良いペースで終えて、ようし、3月もがんばるぞ…!と思って週末を迎えた。週が明けたら、すべてが跡形もなく変わっているとは知らずに。
サービスの無償提供という大波
3月、ベルフェイスは新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、サービスの無償提供を決めた。
決定までは週末を1回挟んだだけだった。鳥肌が立った。私が変化だと思っていたものは、変化でもなんでもなかった。
そこから、お申し込みいただいたお客様をナビゲートしたり、利用時のオリエンテーションを担当したり、とにかく目の前の業務を遂行することに力を注いだ。全員が未知の状態で、「やろう!」と淀みなく判断し、自分は何ができるかを考えて動き続ける。「変化が当たり前」であり、自分が変わらなければ、溺れてしまいそうな状態だった。
そうして、いつからか「体験予約」の担当になった。お客様のご予約をオリエンテーション担当に繋ぐ役割。しかし、ただ繋ぐといっても、状況のヒアリング/担当のアサイン/日程確認のメール/リマインドメールを大量に、延々と対応する。量が日に日に増えるため、オペレーションに正解がない。むしろ変えないと回らない。さらに、3月・4月と大量に新メンバーが入社したため、1月入社の私がベテランの扱い。怖い。
そして、私は岡崎から仙崎(海猿)になった
止まらない体験予約はまるで大波のようだった。緊急事態宣言という前代未聞の事態に助けを求めるお客様が押し寄せていて、半ば呆然としながら「ああ、これなんか、海猿っぽい」と思った。1日に一人当たり40件近く対応した日もあった。
時には、気持ちを高めるために海猿の主題歌『ENDLESS STORY』を携帯で流した。保育園も休園となり、オンラインで繋がる同僚は、1〜2才の幼児を見ながら業務していた。もはや加藤あいに見えてくる。「ここは、私がせき止めるから…!」とも口走った。(今改めて調べたら海猿は潜水士の話だから波の中だな…)
私はもしかして人間ではないのか?機械なのか?というくらいに超スピードで業務に追われていた。オリエンテーション担当のGoogleカレンダーに予定を入れるにも、ギチギチのテトリスだった。入れたそばからリスケの連絡が来た。より早く処理するために、最速の同僚の作業をレコログ(ベルフェイスの録画機能)で録ってもらって真似した。必死だった。
「カスタマーサクセス」が変化の道しるべ
激動の中、それでも楽しく働けたのは、いくつか理由がある。
その最たるものが、「お客様のために、いま必要なオペレーションは何か」を考えて変化できたこと。ベルフェイスはカスタマーファースト・カスタマーサクセスが全社で一気通貫しており、揺らぐことがない。その事実が、時折訪れる不安や迷いを晴らしてくれる。
(あれ、時間が足りない…オペレーションのここって必要?)と迷うとき、それが無かったらお客様にどんな影響があるのか、それがあるとお客様にどんな良いことがあるのかを考える。すると、「今はこうしましょう!」と自信を持てた。カスタマーサクセスが、先の見えない変化の道しるべになった。
変化に慣れたその先に、目指したいこと
今振り返ると、あのときの経験が大きな糧になっている。「あの時と比べたら、全然マシ」と思えるから。混沌を乗り切ったその後も、変化は続いた。
7月にインサイドセールスチームのリーダーになり、チームメンバーは毎月変わり、KPIも変わり、あれやこれやと書ききれないほど絶え間なく変化した。そして、現時点でも変化し続けている。冒頭にも書いたとおり、ここには「変化しない」という選択肢が無い。
変化は、時々しんどい。毎回動揺するし、余裕はない。「今ちょっとパツ崎です」とふんわり自己申告するのがせいぜいだ。それでも、心のどこかで変化を楽しめるようになった自分がいる。
変化は人を強くする。
「ぎゃあ」と思った5秒後に、「まあ、やるしかないか」と笑い飛ばせる仲間がいる。きっと今、誰かに「業務が変わってばかりなんですけど」と言われたら、「大丈夫ですよ!私もそうでした!」と満面の笑みで答えられる。
けれど。
本当はとっくに気づいている。
心の奥のほうで、ずっともやもやしている。
変化の本当の楽しみ方は、「変化に慣れること」なんかじゃない。
「自分で変化を生み出す」ことだ。
周りの優秀な同僚たちが、変化の波を創りだす姿に、嫉妬と焦燥を覚える。自分の苦手なことばかり、数えてしまいそうになる。前職も、前々職も、「お客様のために、これをすべきだ」と信念を持って実行しているときが一番楽しかった。それに比べると、今はまだ道の半ば。
2021年1月の今、インサイドセールスイネーブルメントチームが発足し、私はそのチームのリーダーになった。
セールスイネーブルメントは、営業組織の強化・改善を通じて継続的に営業成果を出すための取り組みで、私たちのチームはインサイドセールスをより強くし、お客様の顧客体験を向上させるために存在している。
変化を生み出す年にする。
お客様と直接対面しない仕事だからこそ、お客様をしっかり向いて仕事をする。チームに対する偉そうな評論家ではなく、チームを助けられる実行者になる。
そう胸に刻んで、2021年のnote書初めとしたい。
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