ベンチャーキャピタルは今どこに投資しているか?-1:セコイアの mmhmm
ベンチャーキャピタルがどこに投資をしているかを見れば、今後のビジネスやテクノロジーのトレンドが分かります。私は以前ボストンのベンチャーキャピタルにレジデントとして駐在していたことがあり、日本本社の新規事業開発のネタ探しを毎日やっていました。本当の5年先、10年先のトレンドは、ベンチャーキャピタルに入り込んで全ての検討ディールを見ることで分かるのですが、外部にいる今はそこまでできません。ただ、それでも現在投資しているスタートアップについて調査したり、数多くのベンチャーキャピタルのディールを調べていくことで最近のトレンドは見ることができます。あとは、ベンチャーキャピタル時代の友人に話を聞いたりして情報収集をしています。ここでは、そういった新しいディールを紹介していきたいと思います。
第一回目の今回はベンチャーキャピタルといえばセコイア、のセコイアキャピタルが最近投資した案件を紹介します。会社名は、mmHmm 変な名前ですがインパクトあります。会社登録はありがちなデラウェア州ですが、所在地はサンフランシスコです。まだ会社登録されたばかりのようですね。https://www.mmhmm.app/
もちろんシードラウンドですが、7月初めにセコイアをリードインベスターとして11の投資家から $4.5M(約4億8千万円)の投資を受けています。All Turtles というAI系のスタートアップを育てる会社から育ってきたスタートアップです。https://www.all-turtles.com/
mmHmm は、COVID-19が原因のテレワークから産まれてきたスタートアップです。Zoom、Microsoft Teams、Google Meet、GoToMeetingなどを使ってリモートでミーティングをする経験はもうほとんどのビジネスマンがされていると思います。でもどのプラットフォームも一長一短で、こんな機能があればいいのになあとか思うことは多いと思います。特にプレゼンテーションをする時の画面共有は、いちいち「パワポ見えてますでしょうか?」と聞いたり、うまく共有できなかったり、スムーズに行かないことが多いと思います。そんなイライラを解決してくれるのが、mmHmm 社のサービスなのです。CEOのPhil Livin が説明してくれていますが、おおっすぐに使いたいと思う良くできたサービスです。
何よりも嬉しいのは、画面共有が自分のビデオ画面の背景に写し出せれること。会議室やカンファレンス会場で、皆の前に立ってスライドを見せながらプレゼンテーションする感覚です。自分を小さくしたり、共有スライドのサイズを変更したり、自分をトランスペアレントさせることも可能です。小さくなった自分が、パワポスライドの中で大事な部分を指さしたりすることも簡単にできます。パワポだけでなく、ブラウザやライブビデオを映し出すことも可能です。さらに、エアプレイを使って、モバイルのスクリーンを映し出してスマートフォンを使ったデモもできちゃいます。
さらにこれは便利と思ったのが、スライドを説明しているところを誰もがレコーディングできる機能です。リモートミーティングが終わった後、よく「今日のスライドは後でメールで共有します。」っていうのを聞きますが、もう不要です。レコーディングしておけば、後で簡単にプレゼンの説明付で見直すことができます。他にもマルチプレイヤー機能で複数のプレゼンターが同時にプレゼンテーションをコントロールしてプレゼンすることができる機能もあります。
ビジネスモデルも良く考え抜かれていると思います。あえて、ZoomやTeamsと勝負することはせずに、どんなビデオカンファレンスのプラットフォーム上でも動かすことができるアドオンという位置づけにしたことです。これにより、将来プラットフォームが選別された際にでも mmHmm は拡大することができます。
まだ βバージョンで招待を受けた人が使えることになっていますが、私も早速 Invitation を申し込みました。現在はマック版のみのようですが、すぐに別のOSにも対応してくると思います。早く招待を受けて、使ってみたいと思っています。さらに今後様々な機能を追加してくるはずです。
とっても楽しみなスタートアップが出てきました。