シェア
黒木郁
2024年4月24日 13:34
3月、有吉佐和子の「青い壺」を読んだ。同じ和歌山にゆかりがあると知っているのに、今まで一冊もこの作者のものを読んだことがなかった。面白かった。近頃「本屋大賞」の本を読むと、ストーリーやキャラクターで読者を楽しませようとするものが多い。「青い壺」はそういうものとは毛色が違う。ある陶芸家が焼き上げた最高傑作の「青い壺」。その周辺を生きる人々を描く連作短編だ。かなり多くの人物が登場するけ