球磨川くだり 竿納め
2019年の1月から球磨川くだりの代表を務めていますが、感じることの一つに季節に関する行事が多く、伝統を大切にしているところがある。
その他にも、新船の進水などお祝い事がある度に青井阿蘇神社の宮司に神事をお願いしている。人吉球磨は相良藩が約700年統治していた歴史があり、周囲が険しい山地に囲まれた盆地であることなどから大きな戦乱が無かった地域だった背景から歴史ある神社仏閣が良好な状態で現存し、様々な信仰が地域住民の生活と密接に関わっている。そのようなこともあり2015年に日本遺産に認定されている。
竿納めとは
竿納めと言えば釣り好きの方にとっては年内最後の釣りのことをイメージされるかもしれないが、球磨川くだりにとっては年内最後の出航のことである。普段より早めの14時を最終便とし、終了後にクレーンで船を釣り上げ、汚れた船底を中心に1年の垢を落とし綺麗な状態で新年を迎える準備を行う。船頭や社員たちが一生懸命に船体を綺麗に掃除する光景は人吉の年末の風物詩であり、毎年多くのマスコミが取材に訪れる。昨日もたくさんの地元TV局や新聞社に取材に来て頂いた。
2022年の振り返り
2021年7月に開業したHASSENBAが2年目となったことも含め、コロナ禍以降初めて通年で通常営業を行うことが出来た。勿論、第6〜7波等もあり観光マインドのアップダウンはあったものの行動制限がほとんど行われなかったこともあり、過去2年と比べて観光客の動きは本格的に回復してきていると感じている。
7月23日より2年ぶりに球磨川くだりを再開出来たことも今年のハイライトだった。豪雨災害による水深の変化や橋梁工事の影響もあり、従来の清流コース4.5kmから区間を短縮した清流復興コース2.5kmでの運航を強いられたが、それでも再開出来たことは本当に嬉しかったし、船頭たちもとても喜んでいた。
残念ながら9月中旬の台風14号による大雨・増水で再び航路が土砂で埋まりわずか2ヶ月で再び運休となってしまった。国土交通省のご支援を頂きながら増水でも土砂の流入が少ない経路を模索しながら、来春以降の再開を目指していきたい。
2023年の展望
2020年1月に新型コロナウィルスの感染拡大が始まって早いもので4年目に入る。10月から水際対策の撤廃(中国に関しては再強化)が行われたこともあり、目に見えて訪日外国人観光客は増加している。一方で九州は福岡空港のみの国際線の再開で現状では北部九州だけに偏っている状況ということもあり、一刻も早く地方空港の国際線の再開が待ち望ましいところだと考える。
まだまだ大変な状況は変わらないが、被災地人吉球磨は着実に復興が進んでいる。新年も球磨川くだりとして少しでも地域の復興に貢献していきたいと思う。
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熊本県をフィールドに観光と公共交通を軸とした水辺のまちづくりに取り組んでいます。また、補助金なしで公共交通立ち上げや債務超過の三セク再建な…
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