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光泳 / パイミオのサナトリウム


二枚のガラスの間を光が泳ぎ、
足元から暖かい風が室内に誘われる

建築によって暖められた光や風がベットに横たわる患者さんに
今、私がここに生きていることを感じさせてくれる。

これはそんな建築の表情を描いたもので、
1933年、医療施設としてフィンランドのトゥルク郊外の森の中に建てられました。

「パイミオのサナトリウム」

設計者は建築家の「アルヴァ・アールト」です。


建物全体の立面は横連窓が多用されており、
まさにモダニズム建築を象徴とするエレメント。

しかし、アールトによる光、風、森と人間との関係を考慮したディテールが、人間的なスケールで温かみのあるものにしてくれています。


窓ガラスは二重で、外側は外開き、内側は内開き。
外の空気を二重のガラスの隙間を通してベットの足元から病室に取り入れ、直接顔や体に冷たい空気が触れないように考えられています。

窓際の机は地面から少し浮いていて、その隙間から光を入れ、視線を森へと運んでくれます。


こういった窓周りの作り方や部屋の単位が窓一つ一つに表情を生み、立面として現れているのです。


アールトの建築のあたたかさの謎が少しずつ解けてきました。
学生のうちにフィンランドに行って実際に見てみたいですね。


今日はこんなところで終わりにします。


今日も読んでいただきありがとうございました!

Instagramには絵が少し動くバージョンも投稿しているので、ぜひ覗いてみてください。


フミ


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