ヤンサンワンテジクッパプ(ジェソン農協近く)
양산왕돼지국밥 ヤンサンワンテジクッパプ(ジェソン農協近く)
テジクッパプ。
今日のテジクッパプは、人生の一杯を食べた気分でした。
釜山の観光の中心地、ヘウンデ。こちらのお店も今までに行ったお店と同じヘウンデ区にありますが、観光客はあまり行かない山の中腹。再開発されていない昔ながらの市街地の中にあります。
こちらは地元新聞記者さんのおすすめのお店。
美味いものをたくさん食べているだろう記者さんの推薦ですから、きっと間違いありません。
ちなみに2005年APEC公式食堂に認定された場所だそうです。
釜山は読んで字のごとく、丘陵の多い都市。
このクッパプ屋に行くにも、サンフランシスコ顔負けの急な坂道をバスに揺られて行きます。
ジェソン農協前バス停で下車すると、バス停から食堂の看板が見えました。
高層マンションのビル群からバスでほんの10分も登れば、こんなのんびりした風景。この写真にはお目当てのお店の看板が小さくうつっています。
さっそく行ってみると、店の外で待つ人がたくさん。
かなり待ちそうなので、近くの市場で時間をつぶしてから再挑戦。
それでも満席。テーブル席も奥の座敷も全部埋まっています。
こちらにも例の注意書き。
スープに自信のあるお店には、必ずと言っていいほどこの「残さないで」の注意書きが。
お客様が寝ている時間にも大釜でスープを煮ています。
肉とご飯は残しても、スープは残さないで下さい。
さらにその横には、こんな注意書き。
食べ物の再利用(一度客に出した残りを他の客に出すこと)は絶対にしていません。
布巾は一回だけ使います。
先日の失敗食堂のことが頭をよぎります(笑)
こちらのお店でいつものごとく
「タロクッパプ一つ」(ご飯とスープが別々のクッパプ一つ)
と言うと、
「うちは全部タロだよ」(ご飯とスープは別々だよ)
こんな短い会話でも外国人と見抜かれたらしい筆者。
心なしか店員さんのサービスが良くなった気が。
ここまでくる外国人(しかも一人客)は多くないのかもしれません。
そんなこんなで待つこと5分。テジクッパプは早く出てくるのも魅力です。
白濁したスープがぐつぐつと。周りには定番のパンチャン(おかず)。
熱々のスープを一口口に運ぶと。
「ん?」
肉の匂いが全くしない。とても澄んだ味わい。なのに旨味は濃い。
(塩味は例によって薄いので、アミの塩辛と塩で好みの味にします。)
器の底には赤いヤンニョム(味みそ)。これをかき混ぜると白いスープが赤くなってちょっと辛くなります。
テジクッパプの定番、ニラを載せて。
肉の量もどっさり。比較的薄く切られているので、軽くて食べやすい。
こってりしているスープに、時々食べる生玉ねぎやキムチが良いアクセント。
しかし、こんなにこってりしているのに、口に残る後味に肉の匂いがまったくありません。
肉の匂いは旨味だと思っていたけれど、こんなに匂いのないテジクッパプを食べると、肉の匂いがしないのもまた美味しさの条件だという気分になります。
あんまり美味しくて、こんな風に鍋を鍋敷のふちにのせて傾けて、最後の一滴までしっかりとスプーンですくってきました。
食器を持ち上げるのは韓国ではマナー違反なので、鍋を傾けてスプーンですくうのです。
これも豪快な韓国人から教えてもらった食べ方なので、マナーが良いのか、豪快な食べ方なのかは、知りません(笑)
レジで先ほどのお店の方に、
「たくさん食べてくれたね~」
と嬉しそうに言われました。
これだけ食べたのに、もう一杯いけそうな気分になる。
とてもすっきりした味だからこそ。
美味しいと思ったお店だけを記事にしていくつもりなので、記事になったテジクッパプは全部美味しいのですが。
私にとっては、今の所こちらのテジクッパプが一番。
至福の一杯でした。
お店情報
ヤンサンワンテジクッパプ(ジェソン農協近く)
양산왕돼지국밥
営業時間:7:00~22:00 年中無休
交通:釜山市営市内バス115-1 ジェソン農協前下車 徒歩1分程度
住所:釜山市ヘウンデ区ジェバン路70https://www.google.com/maps/place/%EC%96%91%EC%82%B0%EC%99%95%EB%8F%BC%EC%A7%80%EA%B5%AD%EB%B0%A5/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x356892ee2f67e3ad:0x7a86d3320804b23e!8m2!3d35.1849657!4d129.1263814
電話:051-781-2722
メニュー:テジクッパプ、ネジャン(内臓)クッパプ、スンデクッパプ、スンデ、肉、など
おまけ
これは、待ち時間をつぶすために行った市場での戦利品。
春から初夏にかけて出回るサンタルギ(山いちご)です。日本では「熊いちご」と呼ばれているらしいんですが、味とプチプチした食感は、まさにラズベリー。韓国では食べ物の旬がはっきりとしていて、この果物もこの時期を逃すと一年間食べられなくなります。