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たのしいnoteの闘いかた #2019年のベストnote 【ウラ5選】

#2019年のベストnote 【5選】を先日投稿した。きょうはもっと主観的で内向きな【ウラ5選】をお届けする。

ことしは「illyさんってnote楽しそうだよね」って(リアルの知り合いを含めて)本当にいろんな人から言われた。まあ正直、めちゃくちゃ楽しいよね。

この楽しさの源泉をいくつか、「表」に書かなかった切り口のnote記事ピックアップで紹介したい。

ウラ5選のキーワードは、《ライバル》。

ライバル I

毎日更新の大先輩である、ぽんずさん。彼女が写真の技を磨くために、盟友さどまちさん&師匠鈴木心さんと企画した「さどまち、ぽんずと、すずきしん」が、僕にとって《ライバルと闘うという遊び方》を知るきっかけになった。

6月の「写真道場」イベントだけではなく、そこに至るいくつもの「闘い」が、noteで紹介される。その過程は本当にストイックで、それでいてめちゃくちゃ楽しそうだった。切磋琢磨する仲間を持つこと、よき闘いを導いてくれる師をもつこと。この3人の活動を追うことは、今年前半の楽しみのひとつだった。

どなたにもまだお会いしたことはないのだけれど、ぽんずさんはその後の世界旅行も追っているし、さどまちさんの写真はげんちゃんのクズエモ小説『ダンスを終わらせて』にも登場したりして、いいなあと思っている。

ライバル II

オオゼキようこの趣味開陳noteに良い感じのタイトルをつけるという、twitterで突如勃発したタイトルコンペ。この日が僕史上初の「note仲間とオンラインで何か絡む」契機だった。

コンペを通じた5人の切磋琢磨はほんとうに楽しくて、かつ、汎用的な学びがたくさんあった。闘いから得られる学びに大きな発見と価値があることは、タイトルコンペを振り返った記事が3本も——ハネサエ.さんの『タイトルの流儀』、サトウカエデさんの『タイトル好きのめぐる冒険』、そして僕自身の『アツい言葉を探せ』——編集部のおすすめに入って100スキを超えていることからも伺える。

このタイトルコンペがなかったら、たぶん僕が「サマトレ」に絡むことはなかった。レビュアーを探していたカエデさんに声をかけられたのは、タイトルコンペでのライバルとしてお互いを認識していたからだ。

ふとしたtwitterのつぶやきに反応することが、たまに予想外の大きな変化を生む。

ライバル III

嶋津さんをライバル視しているとか書くとたくさんの嶋津ファンに怒られそうだけれど……(笑)

第1回「教養のエチュード賞」が走る中で、突如始まった連載、note DJ primadonnaシリーズ。本職DJもされている嶋津さんの味わいがめちゃくちゃ濃く滲み出る、紙上ラジオだ。vol.1は、マリナ油森とサトウカエデをフィーチャー。

美しすぎるテキスト。耽美的な文体も嶋津さんらしいが、見出しの言葉選びも、選曲も、エピソードも、《教養》と《愛》が織り込まれる。vol.1を読んだ時、「うわー。。。。」と絶句したまま、流れるようにサポート&オススメをした。僕のnoteにも言及してもらったvol.2、同日公開のvol.3も手応えたっぷりだ。

嶋津亮太という男は、尊敬する書き手/読み手であり、ともに書くこと/読むことを楽しむ同志であり、そしてともに高みを目指す「好敵手」のひとりだ。

嶋津さんにしか書けないことがある。嶋津さんでなければ成立し得ない賞がある。だとすれば、「僕にしかできないこと」は、いったいなんだろう。

ライバル IV

ちゃこさんのインタビュー連載【そのへんの一般人】シリーズは本当に好きな連載だ。現在最新記事は8人目(おまゆさん)。そのへんの無職/新社会人/アラサー/社長/デザイナー/バリキャリ/新婚さん/一人っ子と、切り口も多彩だ。聞き手の立ち位置もフランクで、方言が効いてて、それでいて、真摯。

こういうインタビュー記事連載を、僕がずっとやりたかった。

『そのへんの一般人』を読んだことで、noteで「やりたかったことをやる」という腹が決まった。それで、今年は夏に一本だけ、インタビュー記事を上げることができた。その記事——『【インタビュー】そのへんの、島でずっと生きていくかもしれない人』は、僕のnote史上はじめて、ついに「編集部のおすすめ」に入った。大きな転換点になった。

広島のちゃこさんは、2018年12月本格始動の「ほぼ同期」であり、広告代理店勤務になってからは「同業」でもあり、常にエモい文章で前を走る好敵手だ。note酒場のあと、中四国オフ会でも顔を合わせた、西日本勢の仲間でもある。

文章のスタイルは違うけれど、ちゃこさんはいつも前を行っている感じがする。追える背中があるのは、本当にありがたいことだ。

ライバル V

『諦めと鈍感野郎の照れ隠し』で第1回教養のエチュード賞・副賞に輝いたみのりさん。noteユーザーの年齢はほとんど関係ないけれど(ほぼ同い年だね!って盛り上がる時に考慮するくらい)、'21卒の大学3年生で「ひとまわり下」の彼女は、界隈でも相当若い世代だと思う。おじさん的には、この先どんな作品を出し続けていくのか、勝手に期待している。

12月の頭に、ひょんなことから「ペンネームに苗字をつける」という話題で2日間ぐらい盛り上がった。秋月、という姓は百人一首由来ということで、古典好きの教養がキラリと光る着地に舌を巻く。

苗字を決める過程で、世話焼きのマリナ油森(文学部出)や、演劇クラスタのこっこさんとtwitterで喋りながら、彼女がぐんぐん前へ進んでいくのを見るのが、とても楽しかった。推しnoter同士が関わり合いながら輪が広がっていくのは、ほんとうにうれしい。

note上では、これからどんどんライバルが増えていく。まだ知らない強力な書き手を次々と知ることになるだろう。自分も学び続け、変わり続けなければ、埋もれてしまうことになる。若い書き手の輝きを目にすると、とくに背筋が伸びる。

【総括】探し、求めよう、ライバルを。

負けず嫌いの僕にとって、さまざまな「ライバル」の存在が、1年間のnote生活の強力なエンジンになった。

コンテストなどで「競う/闘う」のがあまり好きではない人も多いかもしれない。そんな人は、ライバルというより、並走する「パートナー」でいいと思う。ライバルとパートナーはとても近い。書き続けることで、《信頼》が生まれ、創作を前に進めていく。

広大なnoteの世界で、そんな仲間に、きっと出会えるはずだ。

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