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人一倍敏感な子どもの子育て #6 自己肯定感について考える


これまでは主に、HSCのわが子について記事にしてきました。

今回は、HSPである私自身のことについて触れながら、自己肯定感の育み方をまとめていきたいと思います。


従順な子ども時代

とにかく私の母親は「あれはダメ!」「これしなさい!」できないと、最後にはゲンコツ!という教育の仕方でした。おそらく自分自身、そのような教育を受けていたのでしょう(昭和という時代がそうだった、といえばそうなのかもしれませんが)。

おかげさまで、私はモノを言わない子供になりました。とにかく、親の存在は脅威だったので、言うとおりにしていれば済むと考えたわけです。

のちに、「そんな私は育てやすかった」と言われました。言われた通りのことをやり、歯向かわず、学業もまじめにやる子供でしたから、当然のことでしょう。


自己評価の低さを自覚した20代

「言われた通りにしてきた」は、いいかえると、「言われたことしかできない」ということです。ですから私は、自分のしたいことが分からず、意思決定力も弱かったのです。たとえ自分で選んだことでも、最後まで自信を持てないことは多々ありました。

そして自信がないので、あらゆることから逃避していました。チャレンジ精神ゼロ(笑)。立ち向かう勇気がなかったし、背中を押してくれる存在もありませんでした。

就職活動をしているときも、自分の強みが分かりません。方向性を決めることもなかなかできず、結構さまよった末、事務の仕事をすることになりました(エクセルなどのパソコンスキルが強みにあたったわけですが、当時はそのことにも気づけませんでした)。

また、卒業論文で小説を書いていた時も、何度も講師の先生に指摘され、そのたびにへこんで書けなくなりました(打たれ弱かった…笑)。好きなはずの執筆ができないことで悩み、やっぱり自分はダメだと落ち込みまくりました。


主人と出会って自信を持てるように

そんな折、同窓会で同級生だった男の子に再会し、結婚(今の主人です)。小説を読んでもらってはダメだしされ(やはりここでもへこむ)、それを繰り返すうち、少しずつ自分の作品の方向性が分かってきたり、批評にも慣れてきたりして書くことへの意欲も前より出てきたのです。

そして何より、

書くことを応援してくれる

それが一番私を勇気づけてくれたのです。社会的な評価(新人賞の受賞といったこと)はされていませんが、書き続けられるのはひとえに、主人が背中を押してくれるからです。
そのころから、大学の友人にも作品を批評してもらうようになり、読んでもらうことへの恐怖心もなくなりました。


自己肯定感は、いつからでも取り戻せる

子どものころ「こんな絵ばかり描いて! 勉強しなさい!」「目が悪くなるから暗いところで本ばかり読むんじゃない!」などと怒鳴られた記憶があります。そういったことの積み重ねが、「こういうことをしてはいけない。こういうことをしている自分はダメなんだ」という否定につながり、自己肯定感を失ったのだと思います。

自分が子育てをする立場になると、そういいたくなる親の気持ちはわからないでもないのですが、それは親の主観であって、子供からすれば、なぜ怒られているのかが分からないケースもあると思います。

先の例では、
「勉強しなさい」 → 「勉強さえしていればいい(お母さんが喜ぶ)」

あるいは、お絵かきすることはよくない = お母さんが喜ばないからしない

という間違った考えを持つ原因になりますし、母親の顔色ばかりを窺った子供になってしまう恐れがあります(私がそうでした)。

また、「暗いところでの読書は目を悪くする」は、デメリットに焦点が当てられていますが、目が悪くなったら眼鏡をかければ済みます。それよりもこの場合、本を読むことの素晴らしさや、読んでいる行為を認めてあげたほうが良かったと思います。

これからの子育てに当てはめるなら、子供にはポジティブな言葉を使うよう心がけ、子供が子供らしい行動をしているときも、それを親の言葉や考えで縛り付けず、成長の一過程として自由にさせてあげるといいのでは、と思っています。

私は、子供には「自分のことが好きだ」といえるようになってほしいと思って育てています。実際、わが子たちは自分たちのことが好きなようです。
「自分褒め」が私の中ではやっているのですが、子供も真似をして、自分に「ありがとう」と手紙を書いたりしています。

私もまだまだ勉強中です。体調不良で子供にきつく当たることもあります。でも、こういったことを思い出し、日々子供と楽しく接していけるよう心がけています。

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いろうた@「今、ここを生きる」を描く小説家
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