
バイアスを知れば、人生はもっと楽になる
僕たちは、たくさんの「思い込み」によって日々の選択をしています。
でも、その思い込みが知らないうちに自分を苦しめていることってありませんか?
たとえば、
「自分はダメな人間だ」
「こうあるべきだ」
「みんなこうしてるんだから、自分もそうしないといけない」とか。
こういう考えが無意識に働いていると、
「本当はそんな必要ないのに、自分を追い込んでしまう」ことがあるんですよね。
実は、こういった思い込みは「バイアス」と呼ばれるもので、
僕たちの脳が効率よく物事を判断しようとして生まれる"クセ”みたいなものです。
バイアスを知れば、
「なんだ、ただの思い込みか」と気づけて、
少しだけ生きやすくなるかもしれません。
人はこんな思い込みに縛られている
ここで、よくあるバイアスをいくつか紹介します。
1.確証バイアス(Confirmation Bias)
これは、「自分が信じたい情報だけを集めてしまう」バイアスです。
たとえば、「この美容室はいい!」と思っていると、
口コミでも良い評価ばかりを探して、悪い評価はスルーしてしまう。
また、「あの人は嫌なやつだ」と思ってしまうと、
その人の悪い部分ばかりが目について、良い部分を見ようとしなくなる。
人は、自分の考えが正しいと証明したくなる生き物なので、
無意識に「自分に都合のいい情報」ばかり集めてしまうんですね。
2.正常性バイアス(Normalcy Bias)
これは、「自分にとって都合の悪いことは、なかったことにしてしまう」バイアスです。
たとえば、災害が起こったときに、
「このくらいなら大丈夫だろう」と思い込んで避難しなかったり、
健康診断でちょっと悪い数値が出ても、
「きっと問題ない」と思い込んで放置してしまう。
本当は危険なのに、「いつも通りが一番」と思ってしまうことで、
大きなトラブルを招くことがあるんです。
3.アンカリング効果(Anchoring Effect)
これは、「最初に見た情報に強く影響されてしまう」バイアスです。
たとえば、買い物をするとき、
「定価10,000円→今なら5,000円!」
と言われると、5,000円がすごく安く感じてしまう。
でも、実際は最初の10,000円という価格が「高すぎる」だけで、
本当の価値は5,000円よりも低いかもしれない。
人は、最初に受け取った情報を基準にしてしまうので、
冷静な判断ができなくなることがあるんですね。
4.ハロー効果(Halo Effect)
これは、「一つの特徴が目立つと、他の部分も良く(または悪く)見えてしまう」バイアスです。
たとえば、「イケメンの人=仕事もできる人」と思い込んでしまったり、
逆に「不愛想な人=性格が悪い」と思ってしまったり。
実際には関係ないことなのに、
目立つ特徴が判断をゆがめてしまうんです。
5.損失回避バイアス(Loss Aversion)
これは、「得をすることよりも、損をすることのほうが強く感じてしまう」バイアスです。
たとえば、「1000円得をする」のと「1000円損をする」のでは、
損をしたときのほうがダメージが大きい。
このバイアスのせいで、新しいことに挑戦できなかったり、リスクを過大評価してしまうことがあります。
「やってみたいけど、失敗したらどうしよう…」と考えてしまうのも、
損失回避バイアスの影響かもしれません。
バイアスを知れば、人生はもっと楽になる
僕たちは、こうしたバイアスの影響を受けながら生きています。
でも、それに気づかないと、余計な不安やストレスを抱えてしまうんですよね。
• 「確証バイアス」に気づけば、「本当にそうなの?」と疑う習慣がつく。
• 「損失回避バイアス」に気づけば、「失敗してもいいや」と思える。
• 「正常性バイアス」に気づけば、「今のままで本当に大丈夫か?」と考えられる。
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つまり、バイアスを知ることは、
「自分の思い込み」を減らすことにつながるんです。
人生は「思い込み」をハックするゲーム
僕は何度も「人生はゲームみたいなもの」だと言っています。
ゲームって、ルールを知ると攻略(ハック)しやすくなりますよね?
バイアスも同じで、知ることで「自分を苦しめていた思い込み」を手放すことができるんじゃないでしょうか。
「人前で話すのが苦手」という悩みも、
「自分の話をみんなが評価している」という思い込み(バイアス)があるからかもしれない。
「自分は才能がない」と落ち込むのも、
「成功している人はみんな才能がある」というバイアスがあるからかもしれない。
でも、それがただの思い込みだと気づけば、
少しだけ楽になれるかもしれません。
バイアスは誰にでもあります。
でも、それを知るだけで、人生の解像度がクリアになり、
ちょっとだけ「人生というゲーム」を攻略しやすくなるんじゃないでしょうか。
齋藤ナオト