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ABC理論から学ぶ:気持ちが楽になる3つの変換
ABC理論とは、論理療法を唱えた心理学者アルバート・エリスの理論で、普段から意識すると面白いのでご紹介。さらに気持ちが楽になる変換もお伝えしてみたいと思います。
論理療法=正式には理性感情行動療法(Rational Emotive Behavior Therapy)と呼ばれている。薩摩人の國分康孝先生(出身は大阪だが)が日本にエリスのことを広めたと言われている。
17歳で心理学にはまった私は19歳で國分先生の講演を聞きに行くほど・・という遍歴(変歴?笑)は置いておいて、そのころからABC理論はずっと頭に残るほど強烈なものだった。
「A」:Activating Event(出来事)
「B」:Belief(信念、固定観念)
「C」:Consequence(結果)
我々がいつも直面する何らかの出来事(A)。その出来事があって結果(C)があるのではなく、実はAとCの間に観えないB(信念)があって、ソレによって自分が世界を変えて作っているという。
例えがあったほうがわかりやすいですね。
例①:道を歩いていたら目の前から来た人ににらまれた。
この出来事(A)をある人は『なんだよ、喧嘩売ってるのかよ』(B)と捉えて、何もできなかった自分にもイライラして夜も眠れなかった(C)。
また別の人は、『目が悪い人なのかな?私は何もした覚えがないから気にしないでおこう』(B)と捉えて特に心境に変化はなかった(C)。
同じ出来事(A)に直面しても個人の捉え方・受け止め方(B)によって結果(C)が変わっていますね。
喧嘩を売られたと思った人の信念(B)は何だったでしょう?
にらまれる=喧嘩を売ってきているに違いない!としか受け取れなかったのでしょう。なぜ次の人のように『目が悪いのかも?』と他の可能性を考えられなかったのでしょう。
そこには個人が持つ「~に違いない!」「~べき」のような不合理な信念(Irrational Belief)が隠れていると言っているのがABC理論です。
不合理な信念の例で言うと、
〇 私はいつも他人に優しくしなければならない
〇 世の中はすべて公平であるべきだ
〇 自分はいつも完璧でなければいけない
〇 先生は常に自分の味方でなければならない
ビジネスの現場でもあります。
〇 この仕事は自分ではなく他人がすべきだ
〇 上司は私を嫌っているに違いない
この「~べき」「~なければいけない」という信念(B)が自分を縛るんですよね。そして、余計な結果(C)を作ってしまいます。
そこで自分を楽にする3つの対処法!
「~にこしたことはない」に変換
✖ 私はいつも他人に優しくしなければならない
⇒ 〇 私はいつも他人に優しくできるにこしたことはない
✖ 世の中はすべて公平であるべきだ
⇒ 〇 世の中が公平であるにこしたことはない
「いつも~である必要はない、常に~とは限らない」に変換
✖ 自分はいつも完璧でなければいけない
⇒ 〇 自分はいつも完璧である必要はない
✖ 先生は常に自分の味方でなければならない
⇒ 〇 先生は常に自分の味方とは限らない
「~かもしれない」に変換
✖ この仕事は自分ではなく他人がすべきだ
⇒ 〇 この仕事は他人より自分が適任だと会社が判断してくれたからかもしれない
✖ 上司は私を嫌っているに違いない
⇒ 〇 上司は自分の成長のためにチャレンジングな仕事を振ってくれているのかもしれない
どうでしょう。
ちょっと気持ちが楽になりませんか。
かくいう私もこの「べき」が強すぎて、自分の不合理な信念で自分を苦しめ、心理的葛藤と共に生きてきました。
今でもたくさんあります(=゚ω゚)ノ
「~にこしたことはない」
「いつも~である必要はない、常に~とは限らない」
「~かもしれない」
うまく変換して気持ちが少しでも楽になってもらえたら幸いです。
※心理学に詳しい方は、ABCのあとのDのDispute(論駁)とEのEffect(効果)はどこいった~と言われそうですが、今日はこんなところで😅