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140字小説【求めていた熱量】

僕は雪山で滑落した。手から離れたピッケルを片眼で探していた。片眼は光を失った。残された光も消えかけると、走馬灯のように昔の記憶が甦った。塾の帰り道、自販機で熱々のコーンポタージュを買った。最後の一粒が中々出てこなかった。「あ…」ザックに入れっぱなしになっていたチョコを思い出した。

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こし・いたお
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