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140字小説【君は恩人】

初めて見た時は忍者かと思った。放課後、校庭の高鉄棒で蹴上がりした君は、サッと逆立し、グルングルンと大迫力の大車輪を披露した。観客は僕一人。僕がその話を広めると、転校したての君は人気者になった。自分にしかできない芸が欲しいと強く思った。だから君は恩人。夢を追うきっかけをくれた人。

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こし・いたお
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