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140字小説【渡り鳥】

竹製の薪割り台に太さが小指ほどの薪を固定する。浅い角度で小刀を滑らせながら、フェザースティック作りが始まった。火口になるよう薄く削る。「うまいもんですね」「越冬地へ飛び立つ準備をしてるのさ」キャンプ場で出会ったその人は、もうすぐ定年を迎えるという。仕事の重圧から解放され渡り鳥に。

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こし・いたお
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