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140字小説【真夜中の美術館】

美術館の警備員になった僕は真夜中の館内で女の声を聞いた。「ダ、ル、マ、さ、ん、が、こーろんだ!」昔の記憶が蘇り反射的に立ち止まる。声のした方を見ると、僕に背を向け、木と向き合うように立つ女の絵。再び声が聞こえ、僕は恐る恐る近づいていく。すると絵から伸びた長い手が僕の首を掴んだ。

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こし・いたお
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