140字小説【終末の雨】
もう何日も水を口にしていない。廃墟となり今にも崩れ落ちそうな映画館。穴の空いた天井から差し込む光がスポットライトのようにやつれた私の身体を照らす。昔なら貸し切りだと喜んだものだ。私は終末戦争後の世界で、他の生き残りを探し彷徨っていた。座席にもたれ死を覚悟した。私の耳に届いた雨音…
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もう何日も水を口にしていない。廃墟となり今にも崩れ落ちそうな映画館。穴の空いた天井から差し込む光がスポットライトのようにやつれた私の身体を照らす。昔なら貸し切りだと喜んだものだ。私は終末戦争後の世界で、他の生き残りを探し彷徨っていた。座席にもたれ死を覚悟した。私の耳に届いた雨音…