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140字小説【彼が目玉焼きをよく焼いた理由】

小学生の頃、河川敷で課外授業が行われた。アルミカップに生卵を入れ目玉焼きを作る。半熟に拘る生徒たち。そんな中、じっくり焼き加減を見守る彼。卵を落とした僕は、いつものように感情を殺し、もう済んだような顔でポツンと座っていた。彼が微笑んだ。「半分こして食べよーぜ。ちょっと焦げたけど」

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こし・いたお
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