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140字小説【ぼくの城】

段ボール箱は居心地が悪かった。押入れは狭いけど布団があって快適だった。でも暗すぎた。こっそり忍び込んだ廃屋は不衛生だった。テントは最高だ。マットと寝袋。ランタンを吊るせば暗闇で映える。中で簡単な調理もできる。男の子は年を重ねてオジサンになった。けれど秘密基地への憧れは終わらない。

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こし・いたお
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