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息苦しさで目覚めた。私は安さに釣られ怪しい美肌エステサロンにやってきた。裸で黒いシーツの…
嫌味な店長は将棋が得意。私たちパートのことを陰で駒と呼んでいる。悔しいから将棋で打ち負か…
「何かお探しですか?探すの手伝いますよ」親友は困っている人に手を差し伸べる思いやりのある…
新婚旅行はイタリアへ行った私たち。神秘的な見た目に惹かれ衝動買いしたカーニバルの仮面。二…
妻はパズルが大好き。僕は結婚記念日に最高難度の知恵の輪を妻に贈った。知恵の輪を捻ったりず…
私は遠ざかる青い星をいつまでも眺めていた。最終戦争後の荒廃した地球。コップ一杯の水を手に…
「勝手に持ちこむなよ」家は傾きいつ倒壊するか分からない。避難生活が長引くことは容易に想像がついた。だから亀を残して逃げるなんてできなかった。「ねえ、こっちに来て」怒られた私を誘う女。「ここから屋上に出るの」そこには小さなビニールプールがあった。「ほら入れてあげて。お友達が来たよ」
上司と帰りが一緒になった。「糸電話か!懐かしい」公園で糸電話を使い遊ぶ子供たちを見て上司…
帰宅すると妻の友人が来ていた。二人は会話に夢中で僕には気づかない。「どこかに収納できたら…
闘病生活を終えた僕は卒業前に自宅に戻ることができた。病院スタッフや家族、何より毎日連絡を…
僕は古アパートに住んでいる。隣に住むドSのAさんには困っていた。壁が薄いのに溜めこんだスト…
安眠マスクをつけ天井を見つめていた私。終焉だ。眠りにつく寸前に見送りロボットが私のマスク…
心配性の僕は何回も確認する癖がある。どこか抜けている所があるので尚更だ。お店に行くためシ…
心の風邪をひいた繊細な彼女。メモ用紙に迷路を書くのが日課だ。その迷路をペン先でなぞり進む僕。普通はSから入りGを目指す。でも彼女の迷路にはGがない。行き止まりだけ。彼女が書き、僕が進む。数ヶ月繰り返したある日、いつものようになぞっていると、彼女が行き止まりにGを書き込み微笑んだ。