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学生時代の記憶が甦る。隣席の女子と些細な内容の文通をしていた。ノートの切れ端に書いて折り…
愛人と肩を寄せ合い動画を観ていた。「顔なんて付いてればいいの。大切なのは優しさ」インフル…
ダムの建設現場で働くぼくは飯場で暮らしている。休日の前夜は親くらい歳の離れた爺ちゃんの奢…
被疑者はポーカーフェイス。「空き巣被害に遭った家からあなたが出てくるのを目撃した人がいる…
残業を乗り切り家路を急ぐ私。疲れた体に鞭を打って歩く。もう夜更けで人通りは少ない。そこか…
婚活イベントにやってきた私。「私を含めて十人しかいない。少なすぎる…」そう思っていると誰…
「何かお探しですか?探すの手伝いますよ」親友は困っている人に手を差し伸べる思いやりのある人だ。当時初対面だった私の落とし物も、親身になり探すのを手伝ってくれた。そんな優しい親友だからこそ、探さないものもある。親友とは長い付き合いになるが、決して他人の粗探しをしない。
心の風邪をひいた繊細な彼女。メモ用紙に迷路を書くのが日課だ。その迷路をペン先でなぞり進む…
「見た目なんて重要じゃない。私は中身を重視する」先日、娘がそう言っていたのを思い出した。…
ねえ、お父さん。お母さんが大晦日はうどんと蕎麦どっちがいいかって聞いてるよ。え? お母さ…
芥川賞を受賞したぼくは記者から質問を受けていた。今の気持ちを誰に伝えたいか聞かれると、フ…
雪山で滑落したぼくは誰かの呼び声を聞いた。全身に雪をまといながら立ち上がると、手を振り無…
最近あった怖かったこと? ああ、あったよ。ホームセンターで包丁持った女に追いかけられたん…
戦争が始まると私は地下に隠れた。私には何年も生活できる備えがあった。数年後。私はサングラスをかけて地上へ出た。アンドロイドが普及し始めた頃に売られていたサングラス。人間とアンドロイドを遠くからでも識別できるアイテムだ。アンドロイドは赤く表示される。地上は赤一色に染まっていた。 終 解説 シンギュラリティ後にAIと人間の戦争が始まり、終わってみれば地上はアンドロイドに支配されていたというお話です。