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〜 妖精と森の王様 Vol.2 〜





物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 妖精と森の王様 〜

君は好きになったらどうする?
私は四六時中、彼の事を考えて何も手に付かなくなってしまうんだけど、これって重症?
『ふぅ』
一つため息を付いて、私はベッドに横になる
付き合って3ヶ月。今が楽しい時期だよねとみんなに言われるが、実はそうでもない
高校2年にして出来た初彼。友達の紹介で出来た彼氏とは学校が違うので、会うのは放課後
私は女子校で、彼は男子校
初めの頃は、ドキドキして楽しいことも全部共有出来た気がする
だけど、ここ最近は私ばっかり好きでいる気がしちゃう
朝起きた時から、夜寝るまで、ずっと彼の事が気になってしょうがない
『こんなに好きになるって私おかしいのかな?』
お気に入りの猫のぬいぐるみに顔を埋める私は、どうしたら良いのでしょう
プルルル
ガバッと起き上がる私は、急いで携帯を手にする
彼だ。焦って携帯を落としそうになりながらも私は、耳に携帯を当てる
『もしもし』
『まだ起きてた?』
『うん。どうしたの?』
『試験勉強はかどらなくて。声が聞きたくなった』
『へっ!』
思わぬ言葉に私は、嬉しさのあまり思わず声を出してしまった
『あ、ごめん。キモいよな俺』
『いやいや!全然そんなことないから!』
リアクションが見えるわけでもないのに、私はベッドに正座しながら顔の前で手を思い切り振る
『お前の声聞けたら勉強頑張れるような気がして、かけちゃった』
『私の声なんていつでもどうぞ!』
『じゃあ、また夜電話していい?』
『もちろん!』
夜はお互い家にいるので、どこか遠慮がちな事もあり電話をする事が、あまりなかったのだ
私は、とろけるような顔で彼の声を全身で感じていた
しばらく会話を楽しんだ後、私達は体を休めることにした
·
彼の学校は進学校で、定期的にテストがあるらしい
今週は、テスト勉強があるから会えない
寂しく思う私は、家で今日も彼からの電話を待つ
『勉強してるだろうし、電話しない方がいいよね?』
猫のぬいぐるみに話しかける私は、携帯との、にらめっこをかれこれ1時間程している
やっぱり私ばかり好きでいるのが少し苦しい
きっと彼はメールも出来なくらい勉強に忙しいんだ
そう思いながら、何の連絡もない携帯を置き、私はふてくされている自分に反省した
ちょっと散歩に行こうかな。
『いってきまーす』
土曜日のお昼を漫喫しに外へと繰り出す
彼と行きたい場所を探しに
高校生の私は、高級なレストランへ行く事も、オシャレ過ぎる大人のカフェへ行くこともない
公園で散歩したり、カラオケ行ったり、ハンバーガー食べたり、たまに遊園地や動物園にも行くが
今度は、どこに行こう。あ。ほら、また彼の事ばっかり。
少しシュンとなる私は、公園のベンチに腰を掛け、池で優雅に泳ぐ鳥を見つめる
プルルル
携帯の着信が鳴る。彼だ。どうしてこうもタイミング良くというか何というか
『もしもし』
『なぁ?今何してる?』
『え?今、こないだ行った公園にいるけど?』
『そうなんだ?じゃ、そこにいて』
『どうしたの?』
『とりあえず待ってて!』
そう言うなり電話を切られる
私は小首をかしげながらも彼が来るのを待つ
しばらくすると、彼からメールが来たので居場所を教えた
·
空は青く小鳥の声も穏やかに聞こえ、のんびりした春のお昼時
『ひゃっ!?』
何が起こったのか分からず私は声をあげる
『待たせてごめん』
ベンチに腰掛ける私の後ろから、彼が覆いかぶさるように抱きついてきたのだった
『ビックリした!今日は?勉強は?』
私は彼の腕に触れ、息を切らす彼は私の首筋に顔を埋めながら答える
『俺さ?お前の事、好き過ぎる。勉強出来ん』
『え!?』
『俺、お前の事、めっちゃ好きみたいで四六時中考えちゃうし、会いたくてたまらない』
そう言って私の隣に移動しギュッと抱き締める
真っ赤になった私は変に緊張して俯き答えた
『わ、私も同じ!』
ムズ痒い気持ちになりながら、お互い見つめ合いそっと唇で体温を感じ気持ちを落ち着けた
『私ばっかり好きだと思ってた』
『いや、それ俺のセリフ』
『なんで?』
『だって、最近全然連絡くれねーじゃん』
『それは、試験があるって言ってたし邪魔しちゃいけないと思って』
『そうか!俺てっきり、もう嫌いなられたんかと』
『んなわけないじゃん!私、朝から夜まで考えちゃうのに』
彼と目があい、くすっと笑う
四六時中大好きなのはお互い様だったようだ
春の陽射しに照らされながら、彼との時間を、しばし楽しむのだった
·

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