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〜 眠れる森の美女 〜




物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 眠れる森の美女 〜

森の奥深く、茨の森の奥に眠る美しいお姫様がいるという
100年も昔、姫のお祝いパーティーに呼ばれなかった魔法使いによってお城ごと眠りにつかされたそうだ
『ふーっ』
小さく息を吐きパタンと閉じた本を、私は机に置いた
図書館の独特な空気と、本のにおいと、天井まである大きな窓から差す陽だまりが混ざって、どこかホッと肩を撫で下ろす
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この静かな時間が私はとても安心するし、好きだ
ここの図書館は最近出来たので、造りも近代的な気がする
美術館にあるような不思議なオブジェや、天井まである大きな窓から見える中庭には、テーブルと椅子がいくつか並んでいる
天気が良い日は、図書館内にあるカフェで飲み物を買って外で読書するのも気持ちがいい
雨の日は、大きな窓から見える空からの雫が何とも幻想的なのである
この大きな窓のある空間には、長い机が何個も並んでいる
右側に大きな窓、左側にずらりと並ぶ本、そして真ん中に机があり、訪れる人は自分がしっくり来る場所へと座り本を読む
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私は、自分の席から見える、あの席を眺めた
今日も、あの人はあの席で本を読んでいる
艷やかな黒髪に切れ長の目、少しフリルのついた白い上品なブラウスの下には、ふわっと広がる可愛いスカートを今日も履いているのだろう
一度、落とし物を拾ってもらった事があり、何度か目が合えば挨拶するくらいの関係なので『知り合い』と言っていいのかどうかも分からないので合えてそこには触れないでおく
図書館で本を読むあの人に、どこか幻想を抱きながら憧れる自分がいた
細身でスラッとしているし、姿勢もキレイ、日本の女性を例える時に使う、歩く姿は百合の花は、たぶんあの人の事だと私は思っていた
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席を立ち、もっていた本を返しに行く
今日は時間があるので、他の本も読みたい
しばらく選んでいると、あの人が長い艷やかな黒髪を揺らしながら、私のそばを通り過ぎた
ハーフアップに付いている『眠れる森の美女』が、あの人のかっこよさを引き立ている
話をすることもなく私は横目で後を追う
全然知らないあの人のどこに憧れているのだろう
同じ女として思うところはいくつかある
雰囲気や歩く姿仕草がとてもキレイなのである
目で追う先のあの人は、出入り口付近で図書館の人と親しげに話をして笑っていた
『・・・笑うんだ』
どこか近くなれた気がして私は嬉しくなってしまった
一冊本を取り出し、座っていた席へと戻る
暖かな日差しを浴びながら、午後の時間を過ごすことになる
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