仕事に対する変わらない想いと信念
先日コミュニティでウェビナーを開催しました。
私はグラフィックデザイン課チーフで毎月何かしらのお題でアウトプットしています。
今回は「直請けフリーランスデザイナーになるために準備した環境・戦略・マインドセット」というもの。
「そもそもなぜ直請け案件を増やそうと思ったのか」からお話し、目指す未来のために実践したことやマインドセットなどをお話ししました。
このような事業の戦略みたいな話は今のところONLINE上司内でしか話してないので、意外に思われた方もいるかもしれません。
(実はこんな話が大好きなのです)
「これまでのこと」を中心にお話ししたのですが、「今後の方針・目指したいこと」もお話ししました。
詳しいことは省きますが「今後の方針」についてメンバーの方からご質問をいただき、それに答えた自分の発言にハッとしました。
それは「機能しないデザインをするのが耐えられない」というもの。
もっと具体的にすると「(例えば)集客が目的のチラシを作って、全く集客できず『クライアントにただお金を使わせるだけ』になるような仕事はしたくない」ということです。
私の仕事のモットーは「クライアントとユーザーにとってベストなものを納品する」です。
極端な例ですが「超絶ダサい!」と思うテイストでも、クライアントの目的を達成できる、効果があるのであれば、迷わずやります。
私個人の好みはどうでもよくて、私の願いはクライアントの助けになること、クライアントの事業が盛り上がることで、その先にいるクライアントのお客さんにも幸せになってもらうことなのです。
逆に考えてみても、せっかくお金を掛けたのに、何も改善しないとか全く効果がなかったら嫌ですよね…
私だったら床を転げ回りたいくらい嫌です。
大きな起点
会社員時代、上司に「それって本当にクライアントの為ですか?○○さんの好みではないですか?」と言ったことがあります。
今思うと「やってるなあ笑」と思うし、他の伝え方があったと思いますが、当時の私は猪のように真っ直ぐだったんですね。
(現在は改善されていますのでご安心ください)
私の環境での話ですが、クライアントの課題を解決することや目的にフォーカスせず「言われたまま、ただ作る」だったり、社内でも「上司の好みに合わせる」「上司のOKがゴール」みたいなことがあって、疑問を感じていたのです。
デザイナーになって数年経ったころ、婚約衣装ビジネスをしているクライアントのリーフレットリニューアルのデザイン担当になりました。
ターゲットは若い女性で、その時は私がターゲットの年代だったこともあり、指名されたんですね。
クライアントからは「提案してほしい」と言われたそうです。
それで上司から言われたことは
「若い女性向けだから、色はピンクでハートをたくさんちりばめてくれ」というものでした。
ここで疑問を感じたことが3つ。
1) クライアントのイメージはスタイリッシュである
これまでのアウトプットを見てもスタイリッシュでクールなイメージだったので、異なるテイストに疑問を感じたし世界感みたいなものが崩れると思った。
2) 若い女性=ピンクとハートなのか
そのときは私自身がクライアントのターゲットの年齢で「若い女性」だったのもあり、自分がこのサービスを使う時にそのテイストでは惹かれないと単純に思ったこと、周りの女性を考えてもピンクとハートを好んでいる人が少なかったこと、「若い女性が好むもの」の固定概念があるのではと疑問に感じた。
3)ピンクとハートである意味が本当にあるのか
ピンクとハートのビジュアルで「クライアントが望むターゲット」に訴求し、目的が達成されればそれでいいのですが、そのテイストである理由が特になかった。
それで確認したところ「若い女性はピンクとハートが好きでしょ」と言われて「違うと思います」と私が意見して押し問答のすえ最初の発言になるのです。
結果、テイストも見せ方も異なる2案提案したんですね。
上司の案もしっかりデザインして、頼み込んで私の案も提出してもらったのですが、私の案で決まり喜んでいただけた体験があります。
上司からはすっかり「扱いにくい奴」判定されてしまったのですが、これは今でも間違ってなかったと思っています。
(ただ、今の私ならもっとうまく上司を説得するとは思いますが…)
この経験で「私はクライアントのためだけにデザインしよう」と心に誓ったのです。
その後もこのようなケースは多々ありましたが、この信念によって仕事もデザインのゴールも迷いがなくなりました。
改めて思ったこと
職業はデザイナーで変わりませんが、起点になった出来事があった時と、今では仕事内容も関わる部分も変化しました。
でも「機能しないデザインをするのが耐えられない」と発言したことに、なんかハッとしたというか「軸は過去も今も変わってない」と改めて思ったのです。
これがなんか、嬉しい発見というか、皆さんの前で発言したことで深く心に刻まれたような感覚でした。
また、「これからやろうとしていることは間違ってない」とも思いました。
いま、大きく方向転換をしようと準備しています。
「クライアントにとってさらにベストな提案をするために、自分が変わらねば」と思ったためです。
不安な部分はもちろんありますが、迷いはありません。
楽しく頑張りたいと思います。
余談ですが、個人ミッションは「もっともっと何かできるはず」という熱いもので、まだまだゴゴゴと燃えています。
私の中の猪はまだまだ健在なようです。