結婚と仕事について考える【マッチングアプリで知り合った無職の彼氏を通じて】
わたしには野望がある。
『青い山のふもとの田園風景がある町で暮らしたい。仕事は心と体が動く限り続ける。人として成長し続ける。』
暮らすならふるさとの和歌山がちょうどいい。
マッチングアプリで知り合った人と交際し1年経つ。
嫌になったら我慢なんかせずすぐ別れを切り出すわたしが、久々に続いた。
自分計画では今頃お互いの両親に挨拶を済ませて、同棲して、同じ空間で過ごして、将来について話し合って…そうしていたかった!
だけども障壁があるのだ。
彼が無職だ。
無職の人を親に紹介なんてできやしない。
”女の子は結婚して子供を産んで、幸せな人生を歩むもの!”と昔から信じている母ちゃんを失神させることになるから。
彼は知り合って数か月で仕事を辞めた。付き合いはじめて1か月足らずで。
おいおい、やめるつもりならマッチングアプリのプロフィールに書いておけ!(書くわけないよね)
失業保険をもらいながら暮らしハローワークに通い、職業訓練で学ぶこと4か月。ようやくこの10月から働く職場が決まったところだ。
まぁまぁ。無職が悪とは思わない。
それに就職先が見つかったならよかったじゃん、と思いたい。
だがしかし彼は今回で4回目の転職だ。
彼曰く計画的らしいのだが。
学校卒業後、一途に勤続13年目のわたしにはちょっと理解し難い。
仕事に対するわたしの考えはこうだ。
転職して得るものもあるだろう。
だけど続けたからこそ得られるものもある。
2,3年ではわからない。所詮は自分の檻の中にあるものしか見えていない。
仕事というのは自分がやりたいことを自分のためだけにするもんじゃない。
社会が必要としていることが何かを真摯に考え、行動していくもんだ。
その結果、給料がもらえて、お金以外の大切なものまで得られるわけだ。
やりたくないことにも挑戦するから、自分の檻を出てすこしずつ世界が広がり成長できるんだ。
…ちょっとジジくさい思考な気もするが。
もちろんやめた方がいいブラックな企業もあるだろうし、心身の健康を損なってまで働き続けるものではないとは思うよ。
そもそも仕事への価値観がお互い真逆なんだと思う。
しかし価値観の違いはあってもいい。
よく話し合い、時をともに過ごすことで許し合えることもあるだろうから。
そんな彼は大阪市内に住んでおり、新しい職場もその辺に決めた。
わたしが大阪を離れ和歌山で暮らしたいことを知りながら。
かくいうわたしも、彼の計画を知りつつ和歌山で暮らすことを断念する気はない。草と土と、季節の植物の匂いがする和歌山が好きだ。魚も野菜も新鮮でおいしい。深い山もきれいな川も海もある。
先日、人生初の転職をすべく和歌山で面接を受け内定をもらった。他にも挑戦したい職場があるので今回は辞退した。
暮らしたい場所は交わらず。仕事に対する価値観は真逆。
それでもお互い別れようとしないのは不思議に見えるかもしれない。
わたしは結婚する必要はないと考えている。
もっとも、結婚したい相手がいなければの話だ。
老後のためとか、お金のためとか、世間体とか、そんなもののために無理やり結婚するもんじゃない。
結婚しなければ幸せになれないわけではない。
なんなら既に幸せだ。
幸せを結婚相手に頼るもんじゃないと考えている。
『青い山のふもとの田園風景がある町で暮らしたい。仕事は心と体が動く限り続ける。人として成長し続ける。』
この野望を叶えるべく、動いてみたいと思う。
”僕のせいでえぬみの時間を奪ってしまうのは申し訳ない”
”僕がこんなこというのもおかしいけど、えぬみはマッチングアプリを続けてもいいと思う…”
なんていう、弱気で頼りなくって優しい彼と今すぐ別れる選択肢はない。
わたしは
「あなたがもしいい人見つけたらすぐ教えて。隠されるより早い方がいい。別れるのは怖くない。」「マッチングアプリで探す気はないけど、もしいい人を見つけたら別れるよ」と伝えた。
本屋さんで、1冊の本に伸ばした手が偶然触れ合って新たな恋が始まる可能性もあるぞ。
こういうことを穏やかに話合えるのは、彼のいいところだと思う。
転職は計画的、と話す彼を信じたい気持ちはある。だけど固執はしない。34歳まだまだ恋愛してもいいじゃないか。
年齢は気にしなくていい。
呪縛にとらわれずこれからの人生を自分で切り開いていくつもり。