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木漏れ日のような光を頬に受け麦わら帽子の君は笑った

【季節はずれの夏が来て】

ドアへ添い車窓から見る丁寧にレールを辿る夏の清かさ

飛び込みの瞬間にだけ美しいまぼろしになる魚の君は

もう誰のものでもないビニール傘の屍拾う豪雨後の朝

木漏れ日のような光を頬に受け麦わら帽子の君は笑った

もうとうに別れていた気になっていて君とわけっこしないパピコ

携帯用コームで髪を梳かす手の青白いこと、君がいたこと