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PR戦略で盆栽業界が変化する。"変われない⤵”をやめる方法!

こんにちは中小企業診断士&プロデューサーの”ほへと”です。
今回はフランスで開催されたJAPAN EXPOをはじめ米国、中華圏で盆栽業界に新しい風を吹かせたことで世界中から注目されているBONJINprojectの代表として、新しい事に挑戦する意義や方法などについてお話をしたい。

レストランでメニューを選ぶとき、新メニューが出て気にはなっても結局はいつもと同じメニューを頼んでしまう。
といったような経験はないだろうか?
新しいメニューを試すと、新しい「おいしい」に出会えるかもしれないという事はわかっているのに・・・。
新しいことに挑戦しない、できないのはなぜなのか?
経済学では「グレシャムの法則」
企業経営理論では「イノベーションジレンマ」
心理学では「現状維持バイアス」
など様々な要因により「安定したい」という慣性の法則が働き、変化を遠ざけてしまうということだ。

社会は常に変化し続けている。
その変化に対応しなければ、社会においていかれ不利益を被ることになることは想像できるだろう。
「溜まった水は腐る」
という事だ。
今回の記事は「変化することが苦手だ」という人には是非読んでほしいが、「新しいことに挑戦したいが、何から始めればよいのか?」という事に悩む方にも有益な情報となると思うので、是非読んでもらいたい。

■本記事のテーマ
挑戦する事が苦手な人の挑戦を促す方法

■ 盆栽業界に変化を起こした本人が"変わりたい"を後押しする!

伝統工芸品の『盆栽』業界で起きている現実

盆栽といえば名前は知っているが、実物を見たことがない人も多いだろう。
ではなぜ盆栽をあなたは知っているのか?
そしてどんなイメージを持っているのか?
実物の盆栽を見ていなくてもサザエさんの波平が庭で手入れしている様子やドラえもんのカミナリさんの破られる盆栽などが有名だろう。
昔から続く漫画・アニメでは盆栽が度々登場する事が影響している。
また、芝居小屋の緞帳や屏風、襖絵などに描かれることが多いことも原因だと言える。
なぜ盆栽がこれらで表現されるのかというと、それは盆栽は日本古来の文化であり、日本が世界に誇る日本オリジナルのアート作品だからだ。
“わびさび”の象徴であり日本の心という人もいるだろう。
では、商品としての盆栽のイメージを一言で表現すると『高価』となるのではないだろうか。
生活必需品でもなく、ゆとりある人が手間暇かけて育てるという印象が原因だろう。
またバラエティー番組などで”一億円の盆栽”などと具体的に紹介されたりする事も原因だったりする。

その為、盆栽は日本の心であり、高価なモノである。
高価な盆栽を購入できるのはお金に余裕のあるお年寄り。
それらのイメージが繋がり、結果その盆栽を売っている盆栽屋さんは儲かっている。
と思われる事が多い。
しかし現実は違う。
下記は香川県が出しているデータだ(香川は松盆栽生産量の国内シェア80%)。

国内盆栽

国内需要は低下を続け、出荷数は平成12年と平成22年を比較すると約半分になった。
注目すべきは生産効率で、平成12年も平成22年も12ヘクタールで製造しているのにも関わらずだ。(同じ広さの土地なのに出荷が165000鉢から80000鉢に減少)。
つまり、盆栽農家の生産性は50%に減っており、厳しい状況にあるのだ。
事実香川県では倒産する盆栽農家が非常に多く平成 12 年に 286 戸であったものが、平成27 年には 199戸となり15 年間で約3割も減少したのだ。
ピンチだ!

このままだと盆栽自体売れなくなり、盆栽農家はなくなってしまうのかというとそうでもない。
実は海外需要が高まっているのだ。
下記は総務省が出しているデータだ。

盆栽輸出

多少古いデータにはなるが、海外での需要は成長し続けている。
特に欧州での盆栽人気は非常に高い状態だ。
つまり、国内需要の低下を海外需要が支えているという状態だ。
それでも盆栽業界は安泰ではない。
理由は中国で盆栽の生産が始まっており、価格競争が起き始めている。
盆栽は育てるのには数十年かかるため、一朝一夕で追いつくことはできないが、いずれは中国に生産量で追いつかれることは考えられる。
つまり、盆栽業界を取り巻く環境は今後ますます過酷になっていく。
盆栽業界は予断を許さない状況だ。

伝統文化が変化できない理由

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上記写真はアメリカ人が作るお寿司だ。
これはありなのか?ということを考えてみてほしい。

盆栽だけに限らず、錦鯉、西陣織、寿司etc歴史の長い日本古来の伝統工芸品や文化は数多くある。
日本酒メーカーや旅館など数百年にも及ぶ歴史を持つ企業も含めるとその数はもっと増えるだろう。
これら伝統的で歴史を重んじる企業によく起きる現象として現状維持バイアスがかかる。
つまり、変化したくない、変化してはいけないという事が度々起きるのだ。

理由は色々あるが、”伝統”という言葉にしばられ、変化することで発生する社内・社外の関係者たちからの批判や抵抗を避けたいという思いが大きい(今までやってきたことが正しい。後人も同じ考えを引継いでいる為、工夫や挑戦など考えることをやめてしまったりする。これを官僚制の逆機能とも呼ぶ)。
創業100年、創業200年という企業の生存率は日本が世界トップであり、長寿企業が多く残りやすいという日本という国であるが故、余計に伝統が重んじられるということも考えられる。
逆に言うと日本という島国の閉じられた社会の中で、国内需要だけで生き残れた企業が多かっただけに過ぎないともいえる。
さらに、和をもって尊し、察する力、言わぬ美徳etc相手を気遣うことを大事にする日本人の気質も影響してるとも考えられる。

伝統を守ることだけじゃ、伝統を守れない理由

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今はグローバル社会だ。
世界中の企業が敵になりえるのだ。
そういった状況において「今のままでいる=伝統」と考えている企業はどんどん淘汰されていく。
事実、盆栽業界では前述したように中国が生産量で追いかけてきているだけでなく、実は盆栽を生産する技術力も欧州に追いつかれているのだ(とある有名盆栽士はすでに日本の技術を越えていると答えている)。
技術が追い越されるという事は日本の盆栽の価値がなくなっていくと言われているのに近い。
なぜ、そんなことが起こるのか。
それは盆栽を購入する層が日本国内では減少しているが、欧州では増加しているという事に尽きる。
消費者ニーズが業界を育てるのだ。
それにより発生するのがイノベーションジレンマだ。
盆栽業界で説明すると、日本市場では愛好家は日本古来の盆栽を求める為、盆栽農家も愛好家のニーズ応えることに注力してしまう。
しかし、欧州では新しい顧客が、既成概念もなく新しい盆栽を求める。
その為、生産者も新しい盆栽を生み続ける。
といった新商品が生まれやすい状況ができるのだ。
また、変化できない理由に今までやっていたことに追われ、新しいことに挑戦する気力がなくなるという事もあるだろう(グレシャムの法則という)。
つまり、官僚制の逆機能、グレシャムの法則、イノベーションジレンマのような現状維持バイアスが多くかかっている為、変化したくてもできないという状況が発生するのだ。

しかし、伝統を頑なに守るという事が社会の変化という状況に照らし合わせた時に、合っているのかという事を考えてほしい。
伝統は誰のためにあるのか?
そして伝統とはなにか?
日本酒業界において海外で最も支持されている企業は旭酒造株式会社だろう。
『獺祭』というブランドを作っている。
この会社は精米からビン詰めまでを機械でできることは機械に任せ、適度にオートメーション化している。
酒蔵の代わりにビルを建て、その中で作られる日本酒は海外で評価を受けている。
伝統的な建物でもない近代的な施設だ。
なぜか?
それは外国人は獺祭の味にのみフォーカスしているのだ。
「酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を求めて。」
旭酒造の経営理念だ。
つまり、旭酒造は”味”という品質を高め、それのみにこだわり提供する。
そこに価値があると旭酒造は考えているのだ。

もう一度問いたい。
アメリカ人が作る寿司(カリフォルニアロール等)は邪道なのか?
あなたは受け入れられないのか?
われわれ日本人は日本風にアレンジされたラーメンをこよなく愛し、カレーを食べている。
ラーメン、カレーは邪道なのか?
時代は変化しているということを踏まえ、改めて考えてみると変わることの抵抗感はなくなるのではないだろうか。

「盆栽たいそう」が作られた理由

盆栽たいそう

香川県は松盆栽の生産量日本一位だ(国内シェア80%)。
香川といえば「うどん」のイメージが強いが、実は「盆栽」も世界に誇る県産品なのだ。
上の写真に写るブロッコリーのような畑だが、これが盆栽畑なのだが、香川県民もこれが「盆栽畑」であることを知らない人が多い。
しかも、海外から絶大な指示を受ける盆栽の聖地であるという事すらも知らない人が多い。
「これはまずい」
国内シェア1位であるうえ、盆栽の国内需要は低下している。
つまり、国内需要の低下は香川県の盆栽産業の低下に等しい。
これは香川県の県産品の衰退を意味する。
更に、盆栽加工技術において欧州の盆栽文化レベルまでもが高まっている。
それなのに、香川県民は盆栽のことを知らない・・・・。
盆栽生産どころか、盆栽文化すらも海外に奪われる。
大きな危機感を感じた。
その危機感を持ったはいいが、何からどうすればよいのか。
本来であれば行政が生産量を拡大するため、国内の需要を高めることに取組めばよいのだが、行政だけでそれをすることは難しい。また、盆栽組合といった団体でもたやすくはないだろう。
理由はグレシャムの法則、イノベーションジレンマだ。
つまり、利害関係が強すぎるが故に現状維持バイアスがとても高い状態にあるのだ。
新しい盆栽の価値を提供し、それが既存顧客を裏切ることになったらまずい。
農家は収入、行政は税収の減少に直結する。
つまり、利害関係者は必要性を感じていてもなかなか新しいことに挑戦なんかできないのだ。失敗=長期的な収入源につながるのだから。
なぜ、Uberがタクシー業界から生まれなかったのか?
なぜ、Airbnbがホテル業界から生まれなかったのか?
なぜ、iPhone・iPodをSONYのウォークマンが作れなかったのか?
色々な業界で起きている事象で珍しくはないのだ。

であれば利害関係がない人間がやればよい。
これが僕の答えだ。
幸いにも僕は盆栽業界関係者でもない、単なる広告代理店マンだ。
幸いにも僕にはマーケティングの知識がある。
関係者でもなけ、マーケティングの知識がある私なら盆栽の新しい世界(需要)を自由勝手に描ける。
そう考え、盆栽業界を盛り上げるために取り組もうと考えたのが2つの方法だ。
①新しい購買ターゲットの創出
②香川県に次世代盆栽農家を作る
である。
いずれ詳しく記事にしたいが、今回は簡単に書く。
①新しい購買ターゲットを「20代~30代のかわいいが好きな日本女性」とした。
理由は既存顧客と全く離れているため、インパクトある商品づくりができると考えたのと、次世代潜在顧客を作る事が必要だと考えたためだ。
まずは、BONJINprojectというサークルをデザイナーと二人で立上げ、新しい盆栽の世界をデザインの力で作り出し発信してみようと考えた。
はじめはLINEスタンプの制作から入った。
そこから、キャラクター、商品、PR女子、コンテンツ制作へと広げていったのだ。
②香川県に次世代盆栽農家を作るために、香川県の子供たちが子供時代から盆栽に触れる文化を作る必要があると考えた。
そこで、地元の小学校の運動会などで踊る盆踊り的なものを作ろうと考えた。
「盆栽たいそう」だ。
是非一度見てほしい(上記写真にリンクあり。写真をクリックしてみてほしい)。
更に、盆栽たいそうも踊れないくらい小さい子供たちの為に「絵本」も作った。
「365日のぼんぼん」という本だ。

新たなターゲットに商品に触れてもらい、文化の定着を図るためにコンテンツ開発も必要だと考えたのだ。
次世代の消費者と生産者。
この両輪の育成が今後の盆栽業界にとって必要だと考えた。

“関係者”じゃないからこそ新しいことに挑戦する意味があるという理由

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「こんな活動、盆栽っていうネタありきだからこそじゃん」
「コンテンツを開発できる人が近くにいるからできるんだよ」
といったような反論はあるかと思う。
確かに、活動を実現する際に、いい具合に社会問題があり、活動を実現できる人達がいたから進めることができたという事実はある。
ただし、僕が伝えたいのはそこではない。
今回は新しい挑戦をするためにどうするかという事であり、そのためにはどういうハードルがあるのか?という事だ。
過去に縛られ、挑戦したくてもできない人は周りにたくさんいる。
当の本人はそのこと課題自体に気がついていない可能性がある。
自分にとっては当たり前で、日常なのだから問題を抱えてるとも思っていないだろう。
でも、あなたから見た場合どう見えるのか?
「あいつ、あんなことしてるけど、こうすればもっとうまくいくのに。勿体ない」
というように課題を見つけられるだろう。
そうなればシグナルが灯った。
新しいことに挑戦できるチャンスだ!
つまり、新しい挑戦は課題を見つけ、それを解決するためにアドバイスをし、それを代わりに実行してあげるというようなことだ。
盆栽ってお年寄りの趣味っぽいけど、若い子も多肉とか好きだよな。何でそこを取りにいかないんだろう。じゃあ「女子に盆栽を買ってもらうためにカラフルで、かわいい盆栽をつくろう」!
と思いつけば勝手にやってしまえばいい。
それで怒られたら止めればよい。
利害関係がないからライトに始めることができるし。すぐにやめることもできるのだ。
赤の他人、無関係者という利点を使ってみたら挑戦も思いのほか簡単にできるだろう。
後は協力者を見つけるだけだ。

新しい挑戦をするための方法

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もう大体わかるだろう。
新しい挑戦をするためには、すぐに始めて、すぐに辞められる。
そういうノーリスクの状態を作り出し、とにかくやってみればよいのだ。
失敗しても気負わない、デメリットもない。
むしろ失敗という経験ができるという事はメリットだくらいに捉えれば良い。
新しいメニューに挑戦できないのであれば、考え変えて、とにかく気になるモノ全部頼んでみよう。
そして頼んでみて口に合わなければ、食べなきゃいい。
それだけの話だ。
「注文したのに食べない。お金勿体ない。リスクあるじゃん」
という意見もあるだろう。
ではメリットはどうだ?
・口に合わなかった理由を考え、二度と他のお店でも同じようなメニューは頼まなくなる。
・友達との会話のネタになる。
etc
はたまた、友達とシェアしながら食べるのも良い。
他にも色々あるだろう。
要は考え方次第という事だ。
メニューを頼むときに”興味が出た”というのを自分で認めてあげ、悩んでる自分に問いかけてみよう。
「挑戦しなかったら後々気になっちゃうんじゃないの?」と。
そうやって、客観的に自分を俯瞰し、客観的に自分にアドバイスしてあげればよいだけの話だ。
やる事は他人へのアドバイスと同じだ。
それができるようになったら、大きなチャレンジにも簡単にできるようになるはずだ。

ぜひ小さな一歩を踏み出して欲しい。
もしな悩んだりしたりしたら僕が手伝います。
なので遠慮なくコメントも書いてもらいたい。

僕はプロの経営コンサルタントだ。
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まずは一歩だ!