【古事記】黄泉の国 ~あらすじ編~ イザナギ VS イザナミ
どうも いろは です。
今回は古事記の黄泉の国のあらすじを紹介します。
前回の神生みでは、日本の母 イザナミが、火の神様 ヒノカグツチを生んだことにより大火傷を負って、死んでしまいました。
そのイザナミを生き返らせようと、イザナギが奮闘します。
ハラハラ・ドキドキするスリル満点な物語です。
はたして甦らせることに成功するのか⁉
お目逃しなく!
前回の神生みの「あらすじ」を まだ見ていない人は、こちらもチェック!
【古事記】黄泉の国 〜あらすじ〜
あらすじ紹介の前に少し補足です。
イザナミの亡骸は比婆山に葬られましたが、甦らせるためには死後の世界の「黄泉の国」に行きます。
「比婆山」と「黄泉の国」は別々なのかは分かりませんが、とにかく「黄泉の国」へ行きます。
そうだ。黄泉の国へ行こう
イザナギは、最愛の妻 イザナミを失って、物凄く落ち込んでいました。
「もう一度会いたい。」
そんな気持ちが抑えきれないイザナギ。
はっ!とイイ案を思い付きました。
それは、イザナミを甦らせることでした。
そうと決めたイザナギは、死の世界「黄泉の国」へ続く、黄泉比良坂を駆け下りました。
駆け下りた坂の先には、黄泉の国の御殿があり、その入口には、大きな岩の扉で閉ざされていました。
その岩の扉を叩きながら、
「美しき妻 イザナミよ。まだ国造りは終わっていない。一緒に帰って、また国を造ろう!」
とイザナミに呼びかけました。
すると、扉の向こう側から、
「私のために、こんな所まで来てくれたなんて!
でも、私は共食したので、黄泉の国の住人になってしまいました。だから、あなたの元に戻ることは出来ません。」
と、イザナミは答えました。
共食:死の世界(黄泉の国)の物を食べることです。
黄泉の国の物を食べると黄泉の国の仲間=正式な死者 となることを意味し、元の地上に帰れません。
イザナミとの約束
しかし、イザナミも、イザナギと国造りしたいので、イザナミは続けて言います。
「せっかく、イザナギが来てくれたので、なんとか地上に戻れるように黄泉の国の神々と相談してきます。。。その間、この岩の扉の前で待っていて下さい。絶対に中に入って私の姿を見ないで下さい。」
イザナミは、そう言って黄泉の国の神々と交渉しに行きました。
イザナギは、イザナミに言われたとおり、扉の前で待つことにしました。
イザナギ約束を破る
しかし、待っても待っても時間が過ぎるばかりで、なかなかイザナミは戻ってこない。
ついに、待ちきれなくなったイザナギは、イザナミとの約束を破りイザナミを探しに、扉を開き中に入ってしまいます。
中に入ると、真っ暗で何も見えません。
イザナギは、髪を束ねていた櫛の太い歯を一本折って、それに火を灯しました。
その火をかざしながら、奥へ奥へと進んでいきます。
キレる!イザナミ!
すると、何か横たわっているモノを見つけました。
火を近づけ、よ~く見てみると、それは腐敗してウジ虫にまみれ、醜く朽ち果てはイザナミの姿でした!
しかも、恐ろしい八柱の雷神がイザナミの身体にへばり付いています。
変わり果てたイザナミの姿に驚いたイザナギは、思わず「うわぁ!」と声を出してしまいます。
イザナミは、醜い姿を見られ「私に恥をかかせたな!」と怒り狂います。
ブチ切れのイザナミは、黄泉醜女という黄泉の国に住む鬼女たちにイザナギを捕まえることを命じました。
逃げろ!イザナギ!
「ヤバい!」と思ったイザナギは、ダッシュで逃げます。
しかし、黄泉醜女も足が速い!
黄泉醜女に追いつかれそう!
イザナギは、髪に巻き付けていた黒御縵という髪飾りを黄泉醜女に投げつけました。
すると、その髪飾りは、山ブドウになりました。
黄泉醜女たちは、そのブドウに食らい付きました。
この隙に逃げ切れるかと思いきや、黄泉醜女の食べる勢いが凄まじく、あっという間にイザナギを追いかけてきました。
またもや、黄泉醜女に追いつかれそうになったイザナギ。
次は右側の髪に付けていた櫛を投げつけました。
すると、櫛がタケノコになって黄泉醜女の前の道を塞ぎました。
黄泉醜女がタケノコを食べている隙に、イザナギはダッシュで逃げます。
イサナギ!後ろ!
タケノコに夢中な黄泉醜女に呆れたイザナミ。
代わりに自分にへばり付いている八柱の雷神と1,500の軍勢をイザナギに差し向けました!
イザナギ。ダッシュで逃げます!
そして、イザナギは腰ある十拳剣を抜いて、後ろ手で剣を振りながら走ります。
なんとか、黄泉の国と地上の境目にある黄泉比良坂の近くまで来ました。
しかし、八柱の雷神と1,500の軍勢もイザナギの近くまで迫って来てます!イザナギは、黄泉比良坂にある桃の木から桃を3つ追手に投げつけました。
すると、八柱の雷神と1,500の軍勢は退散し、追い払うことが出来ました。
桃に助けられたイザナギは、
「私を助けたように、葦原中国に住む青人草が苦しみにあっているとき、同じように助けてやってくれ!」
と桃の実に語り掛けました。
青人草とは「人間」のことです。
つまり、イザナギは「俺を助けたように、地上に住んでいる人間が困っていたら助けてあげてね」と桃にお願いしました。
そして、イザナギは桃の実に意富加牟豆美命という名前を付けました。
ラスボス登場!
ホッとしたのも束の間。
ついに、イザナミ自身が追いかけてきました!
イザナギは、急いで千引岩と言う岩で、黄泉比良坂と地上の境目を塞ぎました。
千引岩:1000人がかりで、ようやく動かせることが出来る程の大きな岩
これでなんとか、イザナミから逃げ切れました。
別れと寿命
イザナギとイザナミは、千引岩を挟んで向かい合いました。
そして、イザナギは、
「これ限り夫婦の契りを解く!」
と言い、世界初の離婚宣言をしました。
それに対し、イザナミは、
「愛しい人よ。あなたがそのようにするのであれば、私は、毎日、あなたの国の人々を1,000人絞め殺します。」
と呪いの言葉を言います。
すると、イザナギは、
「愛しい人よ。だったら俺は、毎日、1,500の産屋を建てます。」
と誓いを立てます。
こうして、この国では、毎日1,000人の人が死ぬこととなり、そして毎日1,500人の人が生まれることとなりました。
あらすじの概要
イザナギ 黄泉の国へ行く
黄泉の中を覗かない約束する
イザナギ約束破る
イザナミがブチ切れる
黄泉醜女やイザナミに追いかけられる
黄泉比良坂に千引岩を設置
イザナミは殺人予告、イザナギは産婦人科増築計画を提案
黄泉の国 〜まとめ〜
神の夫婦喧嘩は凄まじですね。
人間に寿命があるのは、最後のイザナギとイザナミの呪いと誓いが理由です。
まさか、イザナギとイザナミの夫婦喧嘩の結果、人間に寿命が出来たとは!
とんだとばっちりですね。
でも、バチバチに喧嘩して、別れを告げる時に「愛しい人よ」から始まる言葉を使うところから、イザナギとイザナミの愛情の深さが伝わってきますよね。
それでは、また。