メタ・現実学

現実をやっていくとは、どういうことなのか。

それは一つには、単に生活をするということである。
生活の中で得られる端的な実感でもって現実の姿を捉えること。
誰かとの時間を大切に思ったり、物の質量を確かに味わうことだったりする。

二つ目は、現実に手を加えることである。
すでに確固たる現実としてできあがっているものを抽象化(マテリアル化)したり、または新たな現実の素材とすること。
この中には実体験をもとに半空想的なフィクションを書いたり、VR的に実質的な現実感を感じさせる体験を作るなど、さまざまな実践が含まれる。

三つ目は、現実を分類、分析することである。
「現実」と呼ばれるものにはいくつかの形がある。
普段現実でないと思われるものが現実のように扱われたり、当たり前に現実として捉えられているものが実は虚構的だったりする。
そうしたものを炙り出し、整理し、また改めてその現実と虚構的なものの間の移ろい方の機序を分析していく。

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