自己肯定感と自己効力感
自己肯定感はありのままの自分を肯定する感覚です。
「今のままでいい」
「長所も短所も私なんだ」
と自分の短所も受け入れ、今のありのままの自分を肯定できる状態です。
これから勉強や仕事、夢、皆さんにも叶えたい目標がたくさんあるかと思います。
その目標を叶える為の大きな土台になるのが自己肯定感です。
よく混同されがちな言葉に自己効力感という言葉があります。
自己効力感は、「自分ならできる」「きっとうまくいく」と思える力であり、チャレンジし、成長する為の大きなエンジンになる力です。
こう聞くと「なんだ、自己肯定感よりも自己効力感を高めた方が、良さそう」と思われるかもしれません。
確かに目標を叶える為には自己効力感は必要です!
しかし、自己肯定感が低く、自己効力感が高い場合は注意が必要です。
その人は自分の能力には自信があるものの、自分の価値や存在意義に対しては不安や否定的な感情を抱いている可能性があります。
具体的には、次のような状態になることがあります。
1. 成功に対する満足感が低い
自己効力感が高いので、目標を達成する力があります。
しかし、自己肯定感が低いと、その成功に対する満足感が薄く、「自分は成功しても価値がない」と感じてしまうことがあります。
2. 完璧主義
自己効力感が高いと、「自分はもっとできるはずだ」と感じる傾向が強くなりがちです。
しかし、自己肯定感が低い場合、期待に応えられなかったときや小さな失敗でも、過度に自分を責めることがあります。
完璧を求める傾向が強まり、失敗を恐れるためにプレッシャーを感じやすくなるかもしれません。
3. 他者の評価に依存する
自分の能力を認識しているにもかかわらず、自己肯定感が低いため、自分を認めることができず、他者からの評価に過度に依存することがあります。「周囲から認められなければ、自分には価値がない」と感じ、外部の評価を常に求めるようになることがあります。
幼い頃より人より能力が高く、周囲から褒められ続けてきた様な場合、いったん褒められなくなる状況になると、持ちこたえることができなくなります。「エリートは挫折に弱い」と言われる理由のひとつです。
4. 燃え尽き症候群のリスク
能力が高いにもかかわらず、自分に価値を見いだせないため、ストレスが増すことがあります。自分がやっていることの意味や達成感が感じられないため、長期的には燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥るリスクもあります。
以上から、自己効力感だけでなく、自己肯定感もバランスよく高め、他者の評価に頼らずに、自分の存在そのものに価値を感じることが大切です。