こいつらしく生きていける場所があれば…|漫画『光が死んだ夏』第4巻
これまでの感想はこちら。
殺しても、死なないヒカル。
ヒカルとよしきは、以前の光が残していたメモを頼りに「ノウヌキ様」とは何かを調べることにした。
ボケてしまった光の祖父にそれとなく聞いたものの、断片的に返ってきたのは「ノウヌキ様」ではなく「ヒチさん」という忌堂の男にしか伝わらない存在。
「山に返す」とは、光が山に行ったのはその為なのだろうか。
そんなことを、よしきがぼんやりと考えていると、ヒカルが「よしきに見てほしい」とスマホに表示した、あるサイトを見せてきた。
タイトルは「◆「不穏な地名を挙げていけ」まとめ」
今まで気が付かなかった、自分たちの村のおかしな地名。
よしきとヒカルは、その謎を調べるために図書館へ行き、明治前期の地図を開いた。
そこには希望ヶ山の地名は無く、代わりに「達磨捨」という文字があった。
試しに希望ヶ山周辺の地図も並べてみることにした2人。
今はない下に長く伸びてる部分がある「達磨捨」。
特に今と変わりはない「腕刈」「足取」。
廃村になった「腕入」。
今と字が違う「首断」。
それらを並べてみると……
この村に、隠された秘密とは何だろうか?
変わっていく、よしき
謎だらけの「ノウヌキ様」「ヒチさん」、忌堂の人が犯した罪、増えていく「ケガレ」……と、色々あるけれど、1番印象的だったのは、よしきの心情の変化でした。
今までは、光と違うことに戸惑ったり、光を失うことが怖くて“ヒカル”という存在を受け入れていたけど。
そのヒカルを、光を失うことになっても殺そうとしたことで。
ヒカルを受け入れ始めた、というか。
このまま光の代用品としていて欲しいのではなく、ヒカルとしていられる場所を見つけてあげなければ、と考えているのが印象的でした。
でもだからといって、光のようにヒカルを恋愛対象として見ているのか、というと、そうではないんだよね。
うーん、光がいなくなってしまったと認めたことで、よしきの生きる意味が薄まってしまっているのかなぁ。
でも自暴自棄になってるわけでもないんだよなぁ。
かなり「ケガレ」が集まってきていて、日常生活にも影響が出始めている。
一気に話が進みそうな予感に、次巻が待ちきれません。