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結婚相手は、式の当日「写真」でした… |漫画『波うららかに、めおと日和』


「なつ美 嫁ぎ先が決まった 式は来週だ」

『波うららかに、めおと日和』第1巻

昭和11年の春。
父のその言葉で嫁ぐことになった20歳のなつ美。
相手は海軍の中尉で、式の当日は写真が置かれていた。

それから2週間。
なつ美は、式の前日から訓練に行ってしまい、夫が不在の為、仲人である郁子の家に居候をしていた。

しかし、それも今日まで。

郁子の話では、夫となった人が今日帰ってくるのだ。

旦那様になる方…
どんな人なんだろう

『波うららかに、めおと日和』第1巻

緊張をしながら待っていると、郁子に呼ばれて1人の男性が入ってきた。

江端瀧昌、と名乗ったその男性は、怒っている訳では無いけど、無表情で。

何を話したらいいんだろう…
軍人さんどころか 男の人とろくに 話したこともないのに

『波うららかに、めおと日和』第1巻

話の弾まないまま、瀧昌に促されるままに郁子の家の離れである借家に住む場所を決め、姿を消した瀧昌。

怒涛の展開について行けないなつ美が戸惑っている間に、瀧昌は母屋から生活に必要なものを借りてきてくれていた。

家のことなのに、気を回せなかったことに焦るなつ美だが、重い物は運ぶので、運んだものを棚に仕舞って欲しい、と瀧昌に言われ、慌てて台所へ向かった。

そのなつ美の背中を見て。
瀧昌はため息をつく。

彼女とどう接したらいいのか分からない…

『波うららかに、めおと日和』第1巻

嫌われるようなことはしていないつもりだが、物言いがキツくなってしまったり、無愛想だったり、乱暴だったりしたかもしれない。
でも、普段、男ばかりの環境にいるので、加減がわからない。

どうしたらいいのか、わからなかった。

一方、台所へとやってきたなつ美も。

無表情で何を考えているのかわからない…

『波うららかに、めおと日和』第1巻

これから上手くやっていけるのだろうか。

2人は同じ不安を抱えながら、結婚生活が始まった。

※KindleUnlimitedで1巻配信中(2024-05-07現在)


ミリタリーがお好きなのかな?

著者は 西香はち
少女マンガを中心に活動されている作家さんのようです。
本作は初めての青年誌での連載のようです。
とはいえ、少女マンガとして連載していた作品も防大男子モノ……

ミリタリー好きの作家さんなのかもしれません。
女性向けとしてはかなりニッチなジャンルな気もしますが……

出版社は 講談社

掲載誌・レーベルは コミックDAYS

発売日 2023年03月
既刊4巻。連載中。
2024年05月08日に最新刊5巻が発売予定。


ゆっくりと関係を深めていく2人がいい!

この時代設定ならではなんだけどさ。

結婚って、自分で相手を決めるんじゃなくて、親か親代りの人が決めてきて、当人たちは結婚が決まるまで相手を知らない、ってあるよね。

現実は、それで苦労したり、他に好きな人がいたのに……ってこともあるんだろうけど。

物語としては、結構好きです。

一緒になる、ってのは決まっているけど、その中で相手の色んなとこを知っていって…… ってのは、読んでいて惹き込まれる。

この作品も、そんな感じで、なつ美と瀧昌が一緒に暮らしていくことで、少しずつ仲良くなっていくのが楽しい。

……と、言いながら、瀧昌は海軍に所属しているから、訓練とかで長期で不在にしていることも多いんだよね。
それこそ何ヶ月、って単位で。

これは、船関係のお仕事をされていると現在でもそうみたいだけど。
(数ヶ月仕事で出て、1ヶ月休み、みたいなのもあるらしい)

それがまた、ちょっとした遠距離恋愛的な要素にもなって、どんどん読んでしまいます。

全体的にフワッとほのぼのとしたラブストーリーなのですが、気になるのは、この時代。
5年後には、太平洋戦争が始まるんですよね。

一応、瀧昌の乗っている(とされる)重巡洋艦高雄は大破しているものの、戦後まで残り自沈処分された艦ではあるけれど。
(戦後が舞台の『ゴジラ−1.0』に出てきたのも高雄だったね!)

だから無事、ってものでもないしなぁ。

この辺が、この穏やかなストーリーにどう影響するのか。
無かったことには出来ない史実なだけに、気になるところです。


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かおり
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