「ふたり」で暮らしているんだ|漫画『作りたい女と食べたい女』第5巻
少食だけど料理を作るのが好きな野本さんと、たくさん食べる春日さんの“食べる”と“恋”のストーリー。
これまでの感想はこちら。
晴れて両思いになった野本さんと春日さん。
お隣同士ではなく、一緒に住もう、と2人で暮らす部屋を探すものの。
同性カップルだと、「2人入居可」の物件では夫婦、もしくは姉妹等の家族での入居しかできず、ルームシェア物件を探すも難色を示されたり、そもそもルームシェア物件が少なかったり。
そんな2人は、矢子からLGBTに理解のある不動産屋を紹介してもらい、部屋探しに希望が見えてきた。
一方で、世奈は仲良くなった2人が付き合うことになったことに喜びつつも、離れていってしまうことを寂しく思い、素直に喜べないことを悔やんでいた。
その話を聞いた矢子は
と、世奈に自分なりの考えを語った。
諦めなくていい。矢子の言葉に迷いが晴れた世奈。
そして、野本さんと春日さんは新しい家へ。世奈は長年自分を苦しめてきた“他人と食事が出来ない”自分と向き合う為に病院へ。
それぞれの一歩を踏み出した。
大型家具店でテンション上がる野本さんが面白かった
相変わらず、重いテーマもあるんですけど。
今回は無事に部屋が決まって、某大型家具店へ行ってテンション上がる野本さんが1番面白かった!
家具にはあまり興味がない春日さんが、野本さんが楽しそうにインテリアを見る様子を見て、(引っ越しでお金を使いすぎたので高額な買い物は出来ないと言いながらも)少しは気を緩ませてもいいのかな……
と、思った矢先に野本さんが、必要のない調理器具に吸い寄せられていって、やっぱりダメだ、と思い直すシーンとか(笑)。
扱っているテーマのせいもあるけど、あまり、こういうフランクなシーンがない作品なので、もっとこういうシーンが今後増えたら良いなぁ、と思います。
『きのう何食べた?』ほどのハンドリングは難しいにしても、『逃げるは恥だが役に立つ』くらいのコミカルさはあっても良いのかな、と。
うーん、この辺は、それがこの作品の特色とも言えるし、実際、女性の同性カップルの方たちが「これが私たちの現実です!」って思える作品なら、それはそれで意味があるとは思うんですけど。
単に私の好みが「特別なことではなく、当たり前にそこに存在していること」だからというのもあるかもしれません。
色々と問題はあるかもしれないけど、楽しく暮らしてる2人が見たいなぁ。