同じ温度が 返ってくるなんて…|漫画『二十と成獣』第4巻
火賀のその言葉を、現実として実感できないまま、彩は彼を見つめていた。
「好きです」と口にすれば「俺も」と返ってくる。
ふわふわした気持ちのまま帰ってきた彩は、一人になった自室で、先ほど別れたばかの火賀と電話をしていた。
「会社ではどうします?」と2人の関係を公表するかどうかを問われた彩は、「特に周知の必要はない」と答えたが
同期の倉木には自分が火賀のことを好きだと知られてると伝えると
と、衝撃の一言が。
自分が、そんなに顔に出るタイプだったのか、と驚く彩。
そして、それはすぐ、それでは仕事に影響が出るのではないか、という危惧に変わった。
いつもと変わらない日々。
でも、今までとは違った関係。
2人の新しい日々が始まった。
悪いオトコを描くのが上手いなぁ
というのが、正直な感想。
火賀さん、基本的に好青年で、人の良さそうな描写が多いんだけど。
そして、今までも彩以外の人と恋愛について話している時は、少し自信の無さを見せる素振りもあるんだけど。
特に今回の巻、具体的には68pあたり。
彩を誘う火賀さんの口元しか描いてないのはズルいなぁ。
目元が見えなくて、ほとんどその表情が見えない。
台詞だけなら、いつもの好青年ぽさがあるのに。
何かを企んでる雰囲気はないんだけど。
顔には出さない、腹黒さが見えるっていうか。
一方で、倉木くんの失恋は切なかったなぁ。
でも、この畳み方は、もう倉木くんは余程のことがなければストーリーに絡んでこないのかも。
さて、まだまだ付き合っている、と言いつつジリジリと距離を縮めているような展開ですが。
最後の火賀さんの妹の登場で、今後がどうなるのか気になるところです。
波乱があるのか、肩透かしで終わるのか。
それを抜きにしても、今まで学生で、しかも働き始めたばかりの火賀さんが小綺麗なマンションに住んで車まで持っているという羽振りの良さは地味にずっと気になってます。
女性向け漫画のヒーロー補正なのか、それとも、これから色々と明らかになるのか。
この辺のハンドリングは今後、難しいところなんじゃないかなぁ。
火賀さんという人が、あまりにも現実離れした人だとトンデモ系の展開になっちゃうし。
純粋にこのままラブストーリーを楽しめる展開だと良いなぁ。