僕しかいらないんじゃないのかよ|BL漫画『ピットスポルム』第4巻
※この作品はBL作品です。
夏休みも終わり。
学校は学園祭ムード一色。
矢野たちのクラスではメイド&執事喫茶をすることに。
矢野と小田島は仲良く裏方をすることに決めていた。
しかし、係決めが終わった後。
学園祭担当のクラスメイトに、「小田島に執事(接客)」をして欲しいと頼まれてしまう。
矢野と一緒にいたい小田島は、最初は断っていたものの。
騒ぎを起こしていると決めつけてやってきた教師に矢野が反論したことで、教師の矛先が矢野に向いたことに気づいた小田島は、接客を引き受けてしまった。
自分のせいでやりたくない接客を引き受けさせてしまったと思った矢野が、「今のうちに断ってくる」と言うと。小田島は「矢野のせいじゃない」と言った後で。
それまでの素行でも、周りからは遠巻きにされてきた。
食堂での事件は、それを決定的にした。
自分のことは、構わない。けど。
その言葉通り。
小田島は、学園祭の準備に積極的に参加していた。
クラスメイトたちは戸惑いつつも、それを好意的に受け入れていっていた。
みんなが、“本当の小田島”を知っていく。
そう自分に言い聞かせながら。
矢野は、2人で過ごした夏休みを思い出していた。
矢野のことで一喜一憂する小田島が可愛い
“普通に恋愛している”矢野に対して。
同性愛者であることを隠し、結果全てを捨てて去った父親と、それに傷つけられた母親見てきて、自分が同性愛者だということを受け入れられない、受け入れてくれる人がいるはずない、と思ってきた小田島。
2人の些細な恋愛観の違いが良い。
矢野は自分の変化に戸惑うことが多いけど。
小田島は、何を差し出しても手に入らないと思っていたものだから、失いたくない一心で。
だから。
矢野が嫉妬してるって知ったら ……かなり……喜んでる、よね。
そして、学園祭のお約束。メイド姿の矢野が現れた時には、嬉しい通り越して、取り繕えないレベルで動揺してるよね(笑)
今までの、どこか壊れてしまいそうな雰囲気は残しつつも、学園祭というコミカルな2人も沢山見れたのが楽しい4巻でした!