隣の席の子好きになっちゃうみたいに 俺を好きになったりしない?|BL漫画『お前のほうからキスしてくれよ』
※この作品はBL作品です。
営業部のエースの神田と、経理の上野は犬猿の仲…… と、見せかけて神田は上野の家の合鍵を持っているほど仲が良い。
元々、まだ上野が営業部にいた頃に、雨に濡れて家に帰れず彷徨っていた神田を家に呼んだのがきっかけで現在に至る。
2人は“仲の良い同僚”である。
が、上野は
大っぴらに言っているわけではないが、神田以外にもそのことを知っている社員はいるので、上野は誤解を受けないように、外で絡んでくるのを拒むが、神田はあまりそれを気にする素振りはない。
日に日に上野の家には神田の物が増えていって。
その存在感は増していってる。
神田は3年前。
上野が自身がゲイであるということを告白してきた時のことを覚えていた。
最初は気を使われたのかと思ったが。
上野がSNSでフォローしているアイドルは自分とは全く真逆のタイプだった。
友達なら好みのタイプである必要はないし。
好みじゃないからこそ友達でいられる。
だから、“2人は仲の良い同僚”
でも。
“何か”を期待している自分がいる。
でも、上野にも“友達の境界線”を越えられない理由があって――
続編が決まった作品だよ!!
著者は やまやで
BL作品を中心に活動されている作家さんです。
初めて単行本化された作品だと思われます。
出版社は シュークリーム
掲載誌・レーベルは moment
発売は 2024年04月
既刊1巻。完結済だが、続編が決定。
どうすりゃいいのよ?!的な焦れったさがたまらない
学園モノが甘酸っぱくて良い、と言った舌の根も乾かぬうちに。
大人の恋愛も甘酸っぱくていい!!
いや、もう、イイものはイイ!
ノンケなんだけど、上野の近くが居心地が良くて、甘えたくて、独り占めしたくて、これって好きってことなんじゃないの?
好みのタイプじゃなくても、近くにいるなら案外イケたりしない?
と、“友達の境界線”を越えようとする神田と。
ゲイだけど、かつてノンケの友達と“友達の境界線”を越えたあとに「友達と恋人は違った」と恋人も友達も失った経験から、その境界線を越えることを恐れている上野の。
どうしても越えられない、その境界線と。
だけど離れることも出来ない、葛藤が。
イイのよ!
これだけでご飯食べられるくらいに。
上野の、「それ言われちゃどうしようもないじゃん」っていう経験から臆病になるのもわかるし。
神田の「好きなんだから、ノンケじゃないんじゃないの? それ重要なこと?」ってのもわかる。
どっちの言い分もわかるからこそ、どう、この友達の境界線を越えていくのか、ってのが凄く楽しい。
これ1冊で充分素晴らしい作品にはなっていますが。
勿論、続編も待ち切れないくらい楽しみな作品です。