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寂しかったから来たのよ|漫画『嫁入りのススメ』第3巻
舞台は架空の大正時代。
蘭子は、沒落した家の元お嬢様だが、現在はカフェの女給さんとして楽しく働いている。
そんな蘭子に縁談が舞い込む。
相手は、子爵令息の耀一郎。まだ学生だ。
祖父同士が懇意にしていて、孫を結婚させる約束をしていたと言うが、蘭子の家が没落した時点で、この話は無くなったものと思われていた。
しかし、約束は健在だったらしく、嫌がっているのだろうと思っていた耀一郎も、感情が表に出ないだけで小さい頃から蘭子を慕っていたという。
紆余曲折を経て、婚約者になった2人は……
これまでの感想はこちら。
ある程度、2人の関係も安定してきて、今回の巻は蘭子と耀一郎の周りの人たちのエピソードが主な構成だ。
鈴子に求婚した、女たらしの高城のその後。
彼は他の女性と結婚していたが、女遊びは相変わらず。
妻の春枝も再婚で、彼女は自分の“ある趣味”に没頭する為、家を空けがちな高城を都合のいい夫だと思っていた――
蘭子の職場であり、耀一郎がオーナーである「カシオペア」は若い客を対象にした2号店をオープンする。
その2号店のボーイとして新しく仲間に加わった藤島は、働き者でとても良い青年だが、どうも蘭子に気があるようで、少し波乱の予感。
一方、蘭子の女給仲間である由美は、2号店で客である学生・阿久津に恋文を渡される。
一度は断る由美だが、諦めずに何度もアタックしてくる阿久津に遂に根負けして……?
そこからどうなる?な展開
1番面白かったのは、女遊びの激しい高城さんのエピソード。
夫の暴力が原因で、裁判沙汰にまでなり、やっとのことで離婚をした春枝にとっては、女遊びで家を空けがちな高城は都合のいい再婚相手だった。
一方で、複雑な家庭に育ち、“普通の幸せ”を求めつつも女性を信用しきれない高城にとっても、女遊びを咎めない春枝は都合のいい妻だった。
しかし、遊び相手の女性から、結婚するからと別れを告げられて、不機嫌なまま帰宅した高城は、春枝の“秘密の趣味”である小説の執筆を知る。
しかも、主人公が自分とよく似ていることも。
「この主人公の特徴は 随分と僕に似ているようだ
主人公はこの少女と どうなるんだい? 教えておくれよ 先生」
高城に聞かれた春枝は、主人公は真実の愛を知り、幸せな結末を迎えると告げる。
「…滑稽ですか?」
「…ああ おかしいね 僕からは… 離れていく女性ばかりだというのに…」
そのことをきっかけに、互いに都合のいい相手、というだけだった高城と春枝の関係が変わっていく……
と、いうストーリーの続きが巻末のおまけにも少しありましたが。
これで!終わりなのかな?
高城さんと春枝さんの話を、もう少し読みたい!
まだまだ深堀りできるよね!
結構、好きなパターンのお話なので、続きを期待したいです。
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