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読書会を法人化しようと思っている@任意団体を法人化する件①

前置き

最近、読書会について振り返ったり考えたりする機会が増えていて、そういえば一年目からやりたいなあと思っていたことを思い出した。

法人化である。

彩ふ読書会を法人化するのだ。


って、もう七年経ってるよ!コロナで休止期間はあったけど、もう七年だよ!


読書会もそうだが、スピンオフ企画とか、文学フリマ出店とか、執筆活動とか、やりたいなーと思ったものは実現してきた私である。ところがどうだ。法人化については何も進展しないまま時が過ぎている。

何故か?

答えは分かっている。

楽しそうでもないし面白そうでもないからだ。

私の原動力は楽しそうか面白そうかが基準になっているので、どうにも引っかからないのだ。思えば小学生のころも夏休みの宿題は最終日まで全くやらなかった。社会人になってからも提出書類は期限ぎりぎりまで手をつけなかった。楽しそうでも面白そうでもないからだ。

それでもふと思い立ったときに関連の本を読んだり調べたりはしているのだが、いつの間にか小説に手が伸びている。なんせつまらないのだ。じゃあやらなきゃ良いじゃん、て思うことだろう。しかし、もう一つの目標を実現するには通過しなければならないことなのだ。しかし、その目標も未だ現実的ではないため、「まあ急ぐこたあない」という気持ちが勝ってしまう。卵が先か鶏が先か問題みたいなもんである。

これは、違う方法でアクションを起こさなければ、多分死ぬまでやらない。

そこで、このたびこの記事を書こうと思ったわけだ。

私の原動力には「楽しそう」や「面白そう」の他にもう一つある。


「ちやほやされそう」である。

「楽しそう」や「面白そう」なものの先に何があるかというと、「楽しかった」や「面白かった」である。

では「ちやほやされそう」なものの先に何があるかというと、「ちやほやされた」である。

上記二つが異なるのは、「楽しかった面白かった」の場合は自分一人で完結できるのに対し、「ちやほやされた」の場合は他者が必要となることだ。そのため、「ちやほやされそう」なことであっても「ちやほやされる」という結果が得られるという確信がなければ原動力とはなりにくい。しかし逆にいえば確信さえあれば原動力となりうるのである。


ややこしいことを書いたが、つまりこのシリーズが続くかどうかは、今この記事を読んでいる貴方のスキやコメントにかかっているということである。



私は……




私は……






ちやほやされたい。




いくつになってもちやほやされたいのだ……!!



スキやコメント、待ってるぜ!!



というところで終わってしまうと、「志だけは高いだ系」になってしまうので、一旦現状を報告しておこう。



現状報告

読書会を法人化するということは、言ってしまえば勝手にやれば良い話ではある。普通に参加されている方にとっては「シランガナ」な案件であろう。ただ、読書会を主催されている方、今後主催してみようかなと思っている方にとっては少しばかり参考になるのではないだろうか。私はこれも読書会文化を育てるための一つのアクションなのだと思うようにした。なぜそう思ったかについては、こちらの記事をご参照されたい。

法人化している読書会には先例がある。あるからこそ、私の中に「法人化したい」という気持ちがあった。つまり、先例を作ってくれた読書会からミームを受け取っているのだ。その他の読書会さんからもミームを受け取っている。七年経った今、今度は私もミームを放つ番であると感じている。届け!ミーーーーム!!!


法人化を考えるにあたり、手に取った本はこちら。


他にもいくつか読んでいるのだが、この二つが非常に読みやすくて参考になったのでおすすめしておきたい。

さて、先例の読書会のケースと、いくつかの本を読んだ経験から、私は法人化するなら株式会社かNPO法人の二択だと考えていた。ただ、しっくりこなかったり、条件が整わなかったりしていたので、二の足を踏みつづけて数年経っている。

現在の彩ふ読書会は任意団体にあたり、個人事業主として活動している。お金の面でいうと、読書会の参加費が収益にあたり、会場代や交通費、ドメインやサーバー代、ネームカード等の印刷代やその他諸々必要物品の購入が費用にあたる。収益と費用はとんとんというところだ。

読書会によって参加費はバラバラで、それを高いと感じるか安いと感じるかは参加者それぞれだろうが、まず前提としてどこもかしこも安すぎると私は思っている。彩ふは相対的には高い方かもしれないが、そもそも全体的に安いのである。

主催をするとなると、それなりに準備が必要となる。会の名前を決める、会場を決める、参加費を決める、告知する、エトセトラエトセトラ……これら読書会準備に費やしている時間を時給換算でもして人件費として計上すると、私のところでもそうなのだから、おそらくほとんどのところが大赤字になるだろう。ならばと人件費を抑えるために準備をないがしろにすると参加者が集まらない。

辛辣な言い方をすれば、主催の自己犠牲によって成り立っているのが多くの読書会の現状なのである。

ここからはしばらく耳が痛い話をするので、「知らんがな!」な方はブラウザバックをおすすめする。

自己犠牲は、美しい。

自己犠牲は、楽しい。

そういうマインドになる時期を私は否定しない。それが必要な時期もあるからだ。

私自身、彩ふ読書会を立ち上げてからしばらくは読書会の準備が楽しくて楽しくて仕方がなく、自己犠牲なんて概念もなく無我夢中で読書会の準備をしていた。ただ、今も同じ熱量でやっているかというとそうではない。自己犠牲によるモチベーションには期限があるからだ。

自己犠牲によるモチベーションの期限が切れると主催は悩みだす。自分が読書会に対してかけてきた熱量と、参加者たちとの間にズレを感じてくるからだ。次第に「私は何をしているんだろう」とか「楽しんでくれてないんじゃないか」といった風に考え出してしまう。自分はこれだけ頑張っているのにと、見返りを求めないつもりでも求めてしまう気持ちが出てくる。そんなタイミングで「あの読書会は面白くない」だとか「参加費の割にクオリティが低い」だとかなんて言われた暁にはハイそこで終了となる。あるいは何かしらのトラブルが起こるとハイそこで終了となる。自己犠牲モチベーションによるものは、心が折れた瞬間試合終了なのだ。読書会に参加してくれる方の中には、そういった裏事情も何となく察してくれて「ありがとう」と感謝してくれたりもする。そういった方々に支えられて続けることが出来る読書会もあれば、心ない一言が大打撃となって辞める読書会もある。私が彩ふ読書会を立ち上げてからの7年間、立ち上がっては消えていく読書会をSNS上で沢山見てきた。

これは主催視点から書いたものではあるが、では、参加者からはどうか。「自己犠牲して作りました!楽しんでね!」といった読書会が果たして心底楽しめるかどうか。楽しめないだろう。主催がしんどそうな雰囲気を何となく察しながら気を遣って読書会に参加するとなると、楽しむどころか参加者側も気疲れするだけである。

これと似たような形態のものがある。

同人誌だ。

同人誌はかけた熱量に対して見合った見返りを得られるものではないのがスタンダードなものだろう。本を作ったからには出来るだけ多くの人に読んでもらいたいと思うだろうが、思うようには手にとってもらえない。最初は「楽しそう」という動機で始める人がほとんどだと思うしそれで満足している段階ならば問題ないのだが、続けていくうちに周囲とのズレが生じてくる。私の場合、3回目の文学フリマ東京出店がそうだった。

3回目の出店のとき、私たちは『彩宴3』という同人誌を作った。今回は広報に力を入れようと思い、作品一つ一つに紹介動画を作った。再生回数は予想以下、頒布数も思ったほど伸びなかった。創刊号彩宴のときがピークで、2のときも3のときも右肩下がりなのである。しかし、同人誌制作にかかる費用は増えている。やればやるほど赤字なのは最初からなのだが、その赤字がやればやるほど膨れあがる事態になってしまったのだ。自己犠牲というブーストがなくなってしまうと、途端に「何のためにやるのか」が分からなくなり、ふと4を作りたいなあとは思うものの、やるぞ!というところまではなかなか持っていけないのが現状である。

読書会を立ち上げる際、参加費をどうするかは主催の誰しもが悩むことだろう。ここで問題となるのが、「一度決めると変更しづらい」という点である。高く設定すると参加者が集まらないかもしれないからと、無料に近い形でやったとしよう。そうすれば参加者は集まるかもしれないが、だんだんとかけた熱量や時間に対して見合わなくなる。そもそも自分自身の人件費を含めないからだ。続けていくうちに軌道に乗ったとしても、参加費含め初期の設定のままではモチベーションが下がっていくしかない。

その打開策の一つとして、法人化である。

法人化でなくても良いのだが、何かしらの理由があれば、立ち上げた読書会を生まれ変わらせることが出来る。

彩ふ読書会の場合、コロナによる休止期間があったことで生まれ変わらせることが出来た。あ、ここらへんは文学フリマ東京39で頒布する『「彩ふ読書会」主催者に聞く20の質問』で答えているので、ぜひ手に取っていただきたい(急な宣伝←)

さて、若干自己犠牲の話が長くなってしまったが、法人化の話に戻そう。

株式会社にするメリットとしては、

・社会的信用が高い
・返済不要な資金を調達できる
・出資額を超えて損失は負わない

の3点がある。

てデメリットは以下のとおり。

・設立に費用がかかる
・決算公告の義務を負う
・役員の任期がある
・赤字でも法人住民税を納税しなければな
らない

参考URL↓

もし今株式会社化したとすると、社会的信用を得られるものの、設立費用がかかり、煩雑な決算報告義務が生じ、法人住民税を払わなければならなくなる。デメリットのほうが大きい気がしてならない。法人は個人事業よりも必要経費として認められるものも多く節税しやすいという点はあるが、一定の利益がなければそもそもこのメリットも発生しない。


次にNPO法人を見てみよう。

NPO法人(非営利活動特定法人)も同じく社会的信用を得られる。設立費用がほとんど不要だが、設立には時間がかかったり、業種に制約があったり、10人以上の社員が必要であったり、情報公開が求められるなど、いくつかのデメリットもある。手間や時間がかかるのは良いとして、引っかかるのは「10人以上の社員」という部分である。そんなに社員いないよ……。

と、そんなこんなで株式会社にしろNPO法人にしろ、どうにもしっくりとこないのが現状で、「まあ急ぐこたあない」となってしまうのが常であった。

しかし、ふと、あの団体はどう運営しているんだろうかと気になった。

文学フリマである。

ホームページの下の方にある「運営団体」を押す。そこには一般社団法人文学フリマ事務局とあった。

一般社団法人!

何か聞いたことはあったが、自分には関係ないものとしてスルーしていた。しかし、文学フリマがやっているとなるとぐっと親近感がわいた。ミームである。これもミームであろう。

で、一般社団法人について調べ始めたのがここ最近の話である。

こちらのページを見てみると、なかなか良さそうだ。NPO法人のように社員10名も必要なく、2名でいける。NPO法人のような制約もない。社会的信用を得られるし、任意団体から法人化するのに最適といえそうだ。仮に私が今死んだら彩ふ読書会は終わってしまうが、そこらへんの組織運営の基盤も作れそうである。

これ、見つけちゃったんじゃないか……?!文学フリマありがとう!ありがとう、文学フリマ!

と、テンションあがりまくり、現在一般社団法人について調べているところである。自由度も高そうだし、法人化するなら一般社団法人が適している気がしている。

というのが、現状報告である。

株式会社かNPO法人かの二択しかないと思い込んでいたが、第三の選択肢が出てきたので、この可能性について考えていきたいと思う。それにしても、法人化のところでも文学フリマが出てくるとは、と個人的には色んなことが繋がっているなあと感じる今日この頃である。

あ、ちなみに読書会を新たに立ち上げようと思いつつ二の足を踏んでいる方がいれば相談に乗ることもできる。コメント欄では言いにくいこともあればinfo@iro-doku.comまでお問い合わせを。

では。




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ののの@彩ふ文芸部(彩ふ読書会)
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