過ぎた不幸を悔やみまくろう
日常生活を送っていると、ふと過去の失敗という名の猛獣がフラッシュバックを引き起こすことがある。あなたも夜、過去の失敗を思い出して枕に顔をうずめながらベットで足をバタバタしたことがあるだろう。
私の過去の失敗を紹介すると例えば、授業参観のときに、手を挙げ発表者にはなったものの答えることができず恥をさらしたこと。自〇しようとして精神病院に強制入院したことなど思い返せばキリがない。
大小あるが人はみな、猛獣をこころのなかに住まわせ、またこの猛獣を刺激しないように過去の失敗に蓋をしている。
このような言葉を目にしたとき、「じゃあ猛獣はどうするんだ? いつフラッシュバックを起こすかもわからないのに!」と思ってしまう。
引用文はとても未来志向だ。しかし、過去の失敗やトラウマから目を背けてはいないか?
幸福で順風満帆の生活の中で、猛獣は音もなく近づいてきて過去の失敗を耳元でささやくだろう。あなたは外面では幸せそうにしているが、内面では猛獣がいつ現れるのか不安でしょうがない。
ここで、タイトルにある「過ぎた不幸を悔やみまくろう」ということの意味を説明したい。簡単に言ってしまえば、「猛獣と触れ合って飼いならそう」という意味である。
過去の失敗やトラウマと対峙するのは大きなストレスがかかる。しかし、対峙しなければ、猛獣はあなたのなかでどんどん大きく成長していくだろう。
私は保育園のころに保育士の暴言や晒行為(昼休みに廊下でひとりで給食を食べさせる)などのトラウマが原因で会食恐怖症を発症し、それが二十歳を過ぎても治らなかった。しかし、心理学で学んだ「エクスポージャー療法(暴露法)」を自分自身に対して実践した結果、今では人が大勢いる場所でも普通の人と同じように食事を楽しむことができるようになった。
会食障害とエクスポージャー療法とは……
ここで私が伝えたいのは、
猛獣を飼いならしたおかげで大きく世界が広がったということだ。
猛獣と対峙するのは恐ろしいし、もっと傷つくかもしれない。
過去の失敗、目をそむけたくなるような事実、人間関係のいざこざなどは向き合ってはじめてあなたの納得した形で腑に落ちていく。
あなたはその先で、(ペットの)猛獣とともに今までの自分とは違う自分の人生を送ることができるだろう。
最後に、引用したシェイクスピア『オセロ』の一節を、私なりに改ざんするならば……
となるだろう。
さあ、過ぎた不幸を悔やみまくろう。
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