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あなたを選んでくれるもの / ミランダ・ジュライ

以前、読んだ、「ご本、出しときますね」で気になった本。
『あなたを選んでくれるもの』

最初は、一体、どういう読み方をすれば良いのかな、と思って。
そもそも、このインターネットの時代に、フリーペーパーで自分のものを売ろうとする人≒多分貧しくて、コンピューターを持たない人、を訪ねて行く、ということ自体が、悪趣味と言えば悪趣味でもあるし。

それと、ドミンゴに対して、いやらしい優越感を持つ話。
冒頭に書いてある通り、本来であれば会うはずのない人たちに会いに行っていて、で、「奥さんも、子供も、仕事も、世間で謳われているような年月のトロフィーを何ひとつ持てなかった彼」っていう描写があって、そうか、そういう考え方もあるのか、と。。。

しかし、自分のアイデンティティを保つために、架空の家族を持つ話、アメリカっぽい話だなー、と。

青年期以降のイマジナリーフレンドの話、ちょっと怖いな、、、

でも、最後のジョーの話で、しっかり感動して。
色々な人たちの、リアルな生活に触れながら、同時にずっと、時間の話をしている、と。
結婚していて、35歳で、子どもを作るのか、とか、自分の残りの人生は小銭みたいなもので、もう、大したものを買うことはできない、みたいな描写があったけど、最後に、残りの人生は小銭なんかじゃなくて、小さな瞬間の寄せ集めで奇跡のように美しいと。
で、この本を書きながら脚本を書いていた、ザ・フューチャー、見てみたいな、と思ったけど、配信でレンタルもできず…
まぁ、この本、面白かったし、他の著書も読んでみたいな、と思ったのだった。

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