地域づくりへの言葉にならない『ノウハウ』は、皆さんの中にたくさんあった!【地域づくり実践講座①】
2024.5.24(土)PM
北九州市小倉北区にある生涯学習総合センターで、「市民カレッジ」を実施いたしました!
昨年度に続き、コーディネーター兼、全回の担当を務めることとなりました。
『地域づくり実践講座〜ともに主体的な「協働」のまちづくり〜』
30人が定員だったのですが、44人もの方に申し込みをいただいたようで、一番広い会場に場所を移し、開催いたしました。
多くの皆さんにお声かけ、宣伝してくださった事務局に感謝しております。
昨年度は、平日の夜、5回シリーズということで、ぼくも時間を設けるのが大変だし、参加する皆さんにとっても大変だったと思います。
地域づくりの実践者である『キーパーソン』の皆さんをターゲットにしており、皆さんのニーズ・タイミングの合う時間帯を捉え、土曜の午後14時から3時間コースの、3回シリーズにいたしました。
ぼくとしてもとても良いタイミングで、
3回ともに、土曜の午前中に子ども講座が入っていて、午後から市民カレッジという感じです。
初回のこの日も、午前中に子ども講座に行っておりました。
地域には様々な課題があります。
重たい課題、動かない課題。
ずっと風化や膠着してしまったもの。
どんどん変化していってしまったり、
また顔触れがずっと変わらなかったり。
地域コミュニティもだんだんと希薄になります。
多世代の交流なんて進みません。
若い人材が新たに参画してくるなんてありません・・・。
地域のなかには様々な課題があります。
これまで『面』であった地域活動のフィールドは、どんどんとスカスカな状態になり、穴ぽこだらけ、むしろ意欲や責任感ある皆さんが、何とかどうにか動いているというような『点』のような状態になっております。
そんななかでも、どうにか奮闘する皆さん。
人と人とを繋ぐキーパーソン。
重たい腰をどうにかあげようと、みんなの背中をどうに押していこうと、どうにか風を吹かせていこうと、頑張られている皆さんもいらっしゃいます。
受講者の多くは、このような現状の皆さんがご参加されていらっしゃるかと思います。
受付時にくじ引き式に座るグループを決めていただき、初めましての方々も多かったようです。
まずは皆さんに、『自分のまちの好きなところ』を含めて自己紹介していただきました。
さすが、活発に活動されている皆さん、自己紹介からも盛り上がっておりました。
『自分のまちが好き』
ぼくたちの活動は、この感性を目指しています。
その次に、地域の現状において、様々な課題がありますが、
それぞれのグループで現状を話し合っていただきました。
どんどんと多くの課題が共有されました。
町内会のこと。
校区での活動のこと、組織のこと。
福祉や見守りのこと。
子育て世代とのふれ合いのこと。
若い人材が入ってこないこと。
横から聞いていて、うんうんって頷くものばかりでした。
どの地域も様々な課題を抱えております。
人が繋がり、
生き生きとした地域になっていくためには、どうしたら良いんでしょう?
社会が悪い、経済が悪い、時代が悪い、誰が悪いなんて言っていても、何も進みません。
自分なりにできることを少しずつトライしていくほかありません。
そんな『人』が集まるのが地域です。
地域活動も、良くも悪くも『人』しだいです。
そこで、この講座では『協働』に着目していきます。
『協働』とは、
「単なる協力」や「お手伝い」ではありません。
複数の人たちが関わる場面において、
『ともに主体的』な関係性のことです。
3回シリーズのこの講座において、この部分が、超超超超超超重要で、
協働の意味合いを掴んでいるかどうかがとても大切です。
主体と客体の違い。
主となって動く人と、ただのお客さんのような感性。この違いは全然違います。
主となって動いている人たちに手伝ってと言われたから手伝っている。実は、向こう側のお客さんのような気持ちだったりするものです。
これを主客の違いと言っています。
自分ごとと思えているかどうか、です。
主従の関係と言って、
依頼する人と依頼を受ける人。
引っ張っている人と引っ張られている人。
お願いをする人、された人。
とても協力に手伝ってくれているように見えても、実は
上下の関係だったり、後ろを付いていくだけの存在であったり、
指示待ちの状態であったり。
つまり、『主体性』に乏しいメンバーとなってしまうということですね。
でも、理想的には、
関わる人たちが、みんな、
自分ごとで、主体的で、やる気があって、モチベーション高くって。
それぞれが自主的にやれることをやっていく。
自分の能力を活かしていく。
どんどん前向きにトライしていける。
そんな集団になっていくと、ステキですよね。
この、それぞれが、『ともに主体的に』取組んでいく関係性のことを『協働』と呼んでいます。
協働は、とても素晴らしいです。
協働は、とても美しいです。
喜びにあふれています。とんでもない成果が出るときもあり、ぼくなんかは病みつきになっています。
協働の5つのメリットを整理していますので、是非この記事もご覧ください。
こんな『協働』をつくっていけると素晴らしいですよね。
リーダーの采配が大きい分があります。
でも、トップのリーダーでなくても、この関係性をつくっていくことはできます。
いや、むしろ、フォロワーシップの方が『協働』をつくっていくのに向いています。
リーダーシップの4つのタイプについて、この記事に掲載していますので、ぜひご覧ください。
このお話をするなかで、皆さんが頭にイメージを思い起こしたリーダーの方が何人かいらっしゃったのでしょう。
皆さん、とても頷きながらメモをとられていたのが印象的でした。
良い事例もあったでしょう。
反面教師的な悪い事例もあったでしょう(笑)
自分のチカラにしていけるように、ノウハウを蓄積していきたいですよね。
周りの皆さんが凄く成果を発揮してくれた。
あの人のまわりには、いつも人が集まってきている。
あの人のまわりでは、皆さんが生き生きと活躍している。
あのときは、凄くモチベーション高く取組むことができた。
言葉になっていない、暗黙知的なノウハウがそこにはあるように思います。
協働をつくっていくためのノウハウをこの講座では学んでいきます。
ぼくからも、『協働』の意義や概念について、ひと通り解説しましたが、きっと皆さんの経験の中にも、良い例も悪い例もあったのだろうと思います。
そんな経験を思い返しながら、話し合っていただきました。
横から聞き耳をたてて回っていて、皆さんのなかにとても素晴らしい経験が多くありました。
ちょっと予定していた流れと変えたのですが、
「もうちょっと今の話題を深堀りしてください」という展開にさせていただきました。
「何故、それが上手くいったのか?」
「何故、それは上手くいかなかったのか?」
「それにはどんな苦労があったのか?」
「どんなことにこだわった結果なのか?」
「何故それが、偶然の副産物になったのか?」
もう少し『問い?』にして踏み込んで議論していただきました。
とてもとても素晴らしい議論・対話になっていたと思います。
最後に、各グループからひとつずつ全体共有で発表していただきました。
皆さんの経験での『協働』を実現できた場面、はたまた上手くいかなかった場面を具体的に出していっていただいたら、とてもとても素晴らしい要素が見えてきました。
ぼくとしても学び多き展開となりました。
「そう!そう!そう!そういうことなんです!!」
というコメントばかりでした。
8班のそれぞれから出していただいた内容。
協働をつくっていくためのノウハウに溢れていました。
・メンバーに任せること
・目的がハッキリしていた
・そこに共感からスタートしていた
・当事者の声を聴いてもらっていると、より意見が出たり、より考えるようになった
・信頼を感じたときにモチベーションが高まった
・強制された目的設定では上手くいかなかった
・指示待ちの皆さんだったが、アイデアを問うたところ凄い発展があった
・実行委員会形式のようなワーキンググループを設定したら、とても主体的な活動になった
・上手くいかないことを、色んなところで愚痴や悩みを言っていたら、助けてくれる存在が増えていった
などなど!!!
ノウハウに溢れています!!
皆さんの経験から見えてきたものが、『協働』の関係性を築いていくためのノウハウへと形作っていくことを感じました。
まさに、言葉の無い能力。
カタチに無いノウハウが、
自分のものに、皆さんそれぞれのものになっていったように感じました。
とてもとても素晴らしい第1回講座になりました。
申込みそびれた人。
第1回目講座を受けられなかった人。
残念でしたね~(笑)
最後は参加者みんなではいチーズ!
第2回講座は、より具体的な実践事例を学んでいきます。
ケーススタディで、「そういうことか!」という学びを積み上げていこうと思います。
次回も、ぼくも、皆さんから学ぶことが多いと思います。
とっても楽しみです。
(受講いただいた皆さん、スライド資料はこちらからダウンロードされてください!)
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