地震の知識と対策、10項目
昨夜、関東で最大震度5強の地震がありました。
負傷者や火災、交通機関の停止、水道管の破損などがあっているようです。死者がいないことを祈るばかりです。
既にご存知のことも多いでしょうが、地震対策のことについてまとめます。
①『余震』という言葉はなくなった
今回の報道もよくご覧いただくと分かりますが、「一週間程度は同程度の強い揺れにご注意ください」と言われています。
熊本地震のときに、4月14日に震度7があり、『余震』に注意していたところ、もっと大きな地震が4月16日にありました。
これで、『前震』と『本震』と呼ばれるようになりました。
今回のものが前震なのか本震なのかは容易にわかることではありません。
いずれにしても、関東の皆さんは引き続き注意を。
②震源の深さに注目
今回の震源の深さは70kmでした。
これはかなり深いです。
浅い地震ほど、足元近くで揺れますから、強く揺れ、被害が大きくなります。
今回の地震はかなり深かったので、不幸中の幸いとも言えます。
過去の首都直下地震や想定では、もっと浅い震源のものだといわれています。
今後の地震などがあった場合も深さを注目されてください。
③首都直下地震の想定
10年ぐらい前に、「今後30年間で70%ぐらいの確率で首都直下地震が起きる」という公式発表がありました。
あれからもう10年が経ちます。
首都直下地震が「いつか」起こることは歴史上明らかで、平均すると数十年に1度と言われています。しかしながら、その周期はバラバラとも言えます。
前回の大きな地震は、『防災の日』9月1日の、1923年の関東大震災です。もうすぐ100年が経とうとしています。
地形的には、日本地図をざっくりイメージしていただくと、そのもので、関東あたりから列島が折れていますよね。
(→ 』 ←)こんな形に。逆L字と言いますか。
海溝型のプレートが関東あたりで重なり合い、地中深くに潜り込んでいく構造になっています。
それが首都直下になります。世界的に見て、地震多発地域であることは明らかです。
④長周期振動
現在、日本の建築物は地震にとても強い構造になっています。
特に高層ビルについては『免震構造』がとられていて、
イメージは、傘を手のひらに真上に立てて、バランスとって遊びましたよね。あんな感じで、揺れに応じて、足元をふにゃふにゃと調整させて、バキッといくのを防ぐという事ですね。
ということは、ビルの上の方にいる場合、地震が起きるとぐらんぐらん揺れ続けます。
震度以外に、長周期振動というのが1~4の4段階で発表されることとなっています。
地震の波のカタチによっては、一見大丈夫なんだけど、ビルの中ではヒドイことになっているということもあり得ます。
今回の地震は一番下の『1』でした。
今後もご注意を。
⑤エレベーターに乗っているとき
エレベーターは揺れなどを感知したときに自動で止まる性能を持っているものが多いです。
途中で止まってしまうと、長期間、出れなくなってしまいます。
緊急速報メールや揺れを感知したら、全部の階のスイッチを押しましょう。
まずはエレベーターから脱出することです。
⑥安全スペースを決めておこう
緊急速報メールや揺れを感じたら、身を守れる場所に素早く移動しましょう!
小学校では机の下にもぐりますが、各ご家庭で一度やってみてもらえれば分かります。
机の下に入るのはとても難しいし、時間がかかります。
廊下や、倒れる家具などが無い部屋などに、ほんの数秒で移動しましょう。そういう場所を予め決めておきましょう。
⑦水とトイレ袋の備蓄を
先日から断水のニュースもあっていますが、水が出ないというのは、本当に死活問題です。
水の備蓄は必須だと思います。
で、割と備えていないのが、トイレ対策です。
ホームセンターや、近頃は100均でも売っていますので、この機会に必ず準備しておきましょう。
トイレができないのは辛いどころじゃないですよね・・・。
⑧緊急地震速報の音を確かめておきましょう
地震の揺れをキャッチして、突然、携帯電話が鳴りだす機能ですね。
突然鳴って、「なんだこれ?」って思う暇はありません。
鳴ったとたんに『地震だ!』と思って行動する必要があります。
そのためには、どんな音が鳴るかを確認しておく必要があります。
お手持ちの携帯電話のアプリなどの中をよくご覧ください。「音の確認」がどこかにあると思います。
今一度チェックを!!
⑨災害伝言ダイヤル171
突然の地震の後には電話が殺到し、繋がらなくなります。
安否の確認ができないというのは、心配でなりません。
「無事だよ!」ということをいち早く感じたいものですし、大切な人に伝えたいものです。
そこで、災害伝言ダイヤル171を使ってみましょう。
『171』に電話してください。
あとはアナウンスをよく聞いてください。
言われるとおりに進んで、メッセージを録音します。
固定電話はもちろん、携帯電話からでもできるようになりました!
LINEやメッセンジャーなど、ネット回線を使っているものは通じたりしますので、電話がダメならLINEで、というのも有効かもしれません。
⑩家族防災会議を
今回も報道があっておりますが、帰宅困難になった方々が大勢いらっしゃるようです。
連絡もつかないなかで、家族バラバラになります。
一番帰ってきてほしいお父さんが帰ってこれない・・・
はたまた、お父さんの身になれば、家族が心配でならないと思います。
そんなときのために、家族で予め防災会議をしておきましょう。
・地震や水害時、どこでどう命を守るのか。
・数日生き延びるためにどういう備えが必要なのか。
・ご近所で頼れる人や助けにいくべき人はいるのか。
事前に話し合っておきましょう。
地震は突然起きるから、日頃の備えが何より重要です。
自分だけは大丈夫と思わずに、日本に住む僕たち自身が、この土地で、自然と共存するお作法として、備えておく必要がありますよね。