「何から避難する?」避難訓練には5種類ある
直近で、『避難訓練』をしたのはいつでしょう?
建物の規模や用途によっては、毎年1回の避難訓練が義務付けられていたりします。
学校や保育園などでは、1学期に1回とか、1年間に何回も実施している施設もありますね。
さて、『避難訓練』はどんなイメージですか?
どこからともなく、「ジリリリ~!」と鳴って、ぞろぞろと静粛に屋外に出ていく・・・というイメージが多いのではないでしょうか?
もちろん、それも立派な避難訓練のひとつですが、
昨今の諸々のニュースを見ていて、この記事を書こうと思いました。
実は『5種類』あります。
以下の見出しでネタばれしますが、それぞれご覧ください!
冒頭の写真は、住民主催による住民の避難訓練で、北九州市若松区の東28区自治会が実施されている写真を使用させていただきました。
①『火災』からの避難
最もイメージがわくのは、火災からの避難だと思います。
冒頭に述べた通り、火災の避難訓練については、消防の規定により実施が義務付けられていますので、様々な場面で義務的に参加してきたと思います。
これは、「火災」が社会課題だった時代からずっと続いているジャパンの誇りでもあります。
火災が発生したら、その場所を確認し、避難の方向性を定めて、
おさない、はしらない、しゃべらない、もどらないの
『おはしも』で屋外へと避難するものですね。
注意すべきは、この避難行動は「学校での避難」ですので、家庭やプライベートで火災に遭遇した際は、我先にと一目散に逃げてください。
もちろん、押したり、人にぶつかってはダメですよ。
②『地震』による避難
地震は突然発生します!!
普段過ごしている場所で、地震が発生したら、どのように対応しますか?
「急に聞かれても・・・」という方は、ぜひ訓練しておいてください。
イメージトレーニングだけでも随分違います。
特に建物自体が危険という場合には、揺れ始めや揺れている最中に屋外に飛び出すことが命を守りますが、
往々にして、揺れている最中は『身動きすらとれない』と聞きます。
なので、第一段階は、揺れている最中に、その場、その場付近で『命を守る』ということになります。
学校教育では、机の下に隠れることを指導していますが、家庭においてはナンセンスです。
ちょうど食事中ならまだしも、わざわざ机の下に入りに行くには時間がかかります。
家庭はもちろん、オフィスや仕事場でもそうですが、
数秒で行ける「安全空間」を決めておいてください。
一般的な造りの家では、廊下とかが適しています。
倒れてくるものが無い場所ですね。
人生の、4分の1~3分の1を過ごす『寝室』も、倒れてくるものがないようにしておきたいですね。
地震に付随して、『津波』の避難が加わります。
沿岸の地域においては、強い揺れの後に、高い所への避難が必要です。
津波避難は、最も難しい避難だと思います。
急にスタートすることと、実際の行動がハードということですね。
3.11の教訓ですね、津波避難は日頃からしっかり考えていないと実践が難しいです。
③『水害』からの避難
火災・地震でイメージが尽きた人も多いかもしれません。
この気候変動の時代において、どの地域でも必須になってくるのが
『水害』からの避難です。
火災や地震の避難にイメージを引っ張られていると、「全く違います!!」のでご注意ください。
全然違う点は、
場所や建物構造によって、最適な行動が異なる点です。
川からの洪水なのか、台風の高潮なのか、山からの土石流なのか、隣の斜面からのがけ崩れなのか、はたまた暴風への対策なのか・・・
単純な話、「(大雨の)避難訓練です」で、グランドに集合していたら「え?」てなりますよね。
自然災害の危険が切迫している地域においては、別の場所へ移動して避難する「水平避難」が必要な場合もありますし、
水害時に移動するのも危険が伴いますので、場所によっては、2階などで安全を確保する「垂直避難」が必要な場合もあります。
暴風の窓側や、危険のある山側と「反対側の部屋」で安全を確保する「家庭内避難」も有効です。
隣りの高い建物に入れさせてもらって、垂直に避難するというケースもあるでしょう。
また、学校や保育施設では、保護者へ引き渡すという現実的な避難のカタチもあります。
以前、「早めの避難情報」の想定にて、保護者への引き渡し訓練や、地域住民の方と一緒に下校するという訓練をご一緒させていただいたこともありました。
この時代、頻度が高まっていますので、しっかりと確認しておきたいですね。
④『ミサイル攻撃』からの避難
昨日も悲しいニュースを目にしました。
こんな悲しい避難訓練はしたくないのですが、
ぼくたちにはミサイルを止めることはできません。
万が一、飛んできたときに、まず命だけは守る!
ということで、訓練してみてください。
自然災害による避難とは全く別物です。
自分がいる建物にミサイルが直撃してしまえば、どうしようもないですが、
別の場所に墜落したとして、爆風が起こります。
『ミサイルが飛んでくる』⇒グランドに集合していてはダメですよね?
屋外に面している窓などから、最も離れた建物の中心に、全員が団子状態になって集まることが大切です。
(もうこんな場合は、密とか関係ないですね)
学校であれば、廊下や、窓から最も離れた場所に、身を低くし、おしくらまんじゅうで伏せるしかありません。
家庭の中でも、押し入れとか、ここという場所はあると思います。
特に木造家屋の場合には、建物倒壊のリスクも含めて、場所を考えた方が良いかもしれません。
また、周辺の建物状況によっても異なります。
表の道路側、裏は建物が隣接しているのであれば、道路側からの外力を防げる・避けれる場所を考えましょう。
⑤『不審者』からの避難
これもまた、悲しい避難です。
突然、不審者が侵入してきて危害を加えるというシナリオです。
子ども達の大勢いる場所への襲撃や、
先日も放火がありましたよね。。。。
どうやって身を守りましょう。
指示を聞いて、喋らずに走らずに、、、なんてあり得ませんよね。
自分だけは命を守るという精神で、一目散に逃げます。
最も重要なのは、火災と同じで『2方向避難』と言われています。
つまり、玄関から不審者が入ってきたとしたなら、勝手口の方からどんどん逃げるということですね。
服装やら裸足やら関係ありません。
なりふり構わず逃げましょう。
特に子育て関連施設で気を付けていただきたいのが、勝手口が無い場合や、勝手口も玄関と同じ方向に設置されている場合です。
窓から飛び出しても良いです。
とにかく逃げる。
もしくは「隠れる」というのも有効と聞いたことがあります。
「さすまた」の訓練などしている方もいらっしゃいますよね。
①火災は、人の努力で絶対に防ぐことができます。
②地震・津波、③水害は、自然災害によるものですから、対応力を身につけていく他ありません。
④ミサイル、⑤不審者は、人為的なものです。やっぱり人間が一番怖い・・。悲しいですが、そんなときに身を守るため、日頃から考えて、備えておくと良いと思います。
今日の記事は書いていて、何だか暗い気持ちになってしまいました。
でも、自分や周りの人の命を守るのは、こうした少しずつの考えと行動によるものだと思います。
ぼくもプライベートの活動にて、地域づくりを目指した各種避難訓練などの支援をさせていただいています。
今日もご覧いただきありがとうございました。
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