地域づくりは『ワンチーム?』タイトルに納得できなかった理由
ビフォーコロナの頃の最後の最後でした。
ちょうど2年前、市役所主催のイベントをご一緒させていただきました。
そのイベントの一部分で、当時流行っていた『ONE TEAM』をタイトルに入れたセッションをすることになっていまして、そのタイトルコールが納得できなかったという話です(笑)
割と、どうでも良い、些細なことだったんですが、
どんな部分にこだわっているかを書き出してみたかったなと。
イベント自体はとっても素晴らしいものでした!!
ウチの団体としても『まちクエスト』を実施させていただきました!
『地域の未来を考えるシンポジウム in 北九州』
サブタイトルとして、「地域に誇りを持つ子どもを育む」という素晴らしいイベントでした。
北九州市では、地域活動の実践者を対象とした『地域のちから報告会』というのを毎年実施しており、他地域の好事例や悩みを共有するものです。
とてもとても参考になるものばかりで、毎年楽しみにしていますし、ぼく自身も何度か発表に関与したことがあります。
2年前のこのときは、スペシャルバージョンで、いつもの講演会・研修会形式に加えて、子どもを対象としたイベントをやるというものでした。
ぼくたちの団体を含めて、多くの市民活動の皆さんと一緒に、
『防災』を『遊び』に変化させ、楽しく体験するプログラムを実践してきたのを評価いただき、この依頼をいただきました。
ちなみに、『あそぼうさい』というやつです。
このときの依頼は、無茶でしたよ~(笑)
『地域』や『まち』を実感できるように、『遊び』にしてくれって言うんです(笑)
それはそれは大変でしたよ(笑)
探険しながら『まち』を感じて遊ぶというイベントプログラムを最終的には創りました!
『まちクエスト』というものです。
これについては、またご紹介させてください!!
はい、前置きが長くなってしまいました、いよいよ本題です。
真ん中から下あたりの『活動事例紹介』の部分です。
「地域課題の解決に取り組むNPO団体の活動を知り、地域とNPO団体等との連携・協働による地域づくりのヒントを学びます」
!!!!!
とっても素晴らしいですね!!
登壇者も名実ともに、皆さんスゴイ方です!
(ぼくは『まちクエスト』に付きっ切りだったので、聴講できなかったのが残念でした・・・)
そして、ぼくがいちゃもんを付けたのは、タイトルですね!(笑)
『NPOとスクラム ONE TEAM』
うん、当時ラグビーの快進撃もあり、流行語にもなりましたよね。
ワンチーム!!
とっても良い言葉です。
『みんなはひとりのために、ひとりはみんなのために』
ラガーの合言葉ですね。
ぼくの小学校にもこの言葉の刻まれた大きな石碑がありまして、いつまでも心に残っています。
NPOと地域がタッグを組んでワンチーム!
地域のみんなで気持ちを揃えてワンチーム!!
そんな美しいテーマ設定のように感じます。
うん、これでいこう!とタイトルが決まったんでしょうが。
ぼくは反対しました(笑)
たしかに、ワンチームは美しいんです。素晴らしいんです。
スポーツでのチームプレーはもちろんのこと、
会社や団体活動でワンチーム!!を目指すことは大賛成です。
とっても良いと思います。
それでは、地域活動、市民活動において、
このワンチーム的な考え方が全面的に適用できるのでしょうか?
ぼくは違うと思います。
ん~、、、違うというよりは現実的に不可能だと思います。
少し逆行するようで、ニュアンスが違いますが、こんな記事を書きました。
ワンチームというより、公約数的な共感を得ていくイメージです。
気持ちが乗りきってない人をワンチームにしていくなんて無謀です。
地域づくりにおいて失敗していくのはこの事例です。
例えば、自治会やPTAの活動において、『みんなチームでしょ!一緒にやりましょうよ!!』なんて声かけしたときに、「いや、私は一員じゃないし」とちょっとでも思われたら、今後共感を得ていくにはハードルがとても高いです。
お祭りなどで着る「はっぴ」や、お揃いのTシャツも同様です。
オレらチームだ!って士気が上がるのかもしれませんが、
「ほら、あんたも着て!」なんて言われた日には
「いや、いいです・・・」←ほら、もうチームの外に・・・。
地域活動・地域づくりにおいて、無理矢理、力づくのワンチーム理念は、失敗する見込みの方が大きいです。
では、NPOなどの市民活動と地域づくりとの協働についてです。
NPOには、オフェンスの性質のあるものと、ディフェンスの性質のあるものとがあると思っています。
ぼくたちのような活動はオフェンスの性質で、価値や喜びの創造・再発見に取組んでいます。
特に、ぼくたちの団体は、地域活動との協働を目指していますので、先に書いたような公約数的要素をいかにつくっていくかだと思います。
一方で、ディフェンス的な性質のNPOでは、社会の隙間にある課題を埋めたり対応していただいているNPOはとても多いです。
そうしたディフェンスNPOと"地域全体"がワンチームになるなんて不可能です。
そうしたことができるのならば、もっと公的な対応ができたりして、NPOの領域からも卒業できるものと思います。
それができないからNPOでやっているというニュアンスかもしれません。
小さなグループで、一致団結!ワンチーム!!って捉えなおせば、とっても素晴らしいと思います。
しかしながら、このイベントでターゲットにしたようなもっと大きな「地域づくり」というのは、全然色合いが違うと思います。
残念ながら、PTA活動においても、『共』の存在が薄れていって、
「参加する人だけで上手くやって」というような、参加主義になってしまいました。
そりゃ、意識ある人も無い人も、ワンチームを掲げられて、役割を押し付けられたりしたら嫌がる人は出てきますよね。
当然、こんな問題も出てきますよ。
やる気あって参加する小グループのメンバーでワンチーム!を目指すのなら賛成ですけどね。
「ちょっと何言ってるか分かんないです」ってサンドウィッチマンの漫才ばりに思ってらっしゃる方もいるかもしれません。
当時のイベント企画において、このような意見をしたものの、ここまで言語化できなかったぼくの力不足もあり、当時のご担当の方もそんなリアクションでした(笑)
微妙なニュアンスの世界にあるものを表現してみました。
暗黙知領域にチャレンジしてみましたが、難しかったなぁ・・。
記事作成に反芻する時間が不足していたのかもしれません。
自分で何度か読み返してみて、適宜書き変えるかもしれません、ご了承ください。
今日もご覧いただきありがとうございました!!