49. melt
目に映る 物々に宿ってる
ゴミ箱になんて 私にできない
洗濯機を可動させるたびに
取れるのは汚れと香りだけ
飴玉を毎週土曜に舐めた
買った時のことは覚えてない
隣のあの子にあげた梅味
曖昧だけど 確か 笑ってたかな
希望を彷彿させる余の物
そんな雑音に苛まれ
※「寂しい」と口に出して 涙をこれでもかと
垂れ流しても戻らない あなたの温もり
前例のないこの闇を切り裂くのは
記憶の片隅で消えかかってる
世の中の不条理 あなたの温もり
1粒の記憶を再生した
少なくとも楽しいものじゃない
雨模様で湿度も高かった
仲直りと髪質だけが鮮明
放っぽり投げてた 無限に似てたから
画面と背中の昼下がり
※「寂しくない」と靴履いて 光を直接浴びて
数年後に忘れるぐらいの好きなら
あなたのことを嫌いのままいてほしい
憎しみの肩を借り続けながら
行き先はまだ見ぬ あなたの温もり
遠ざけるほどに 居たことを知る
好きだと思うたびに 居ないことを知る
失くした今頃は あんなに傍に
消えちゃうことの寂しさ 叫びたりることはない
※「寂しい」と口に出して 息吹とこれでもかと
距離を取っても消えない あなたの温もり
最後の1つの飴玉を舐め始めた
5分もしたら跡形もなくなる
自分で決めたルールに縋るしかない
飴玉と共に あなたの温もり
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