15. Waterland


産声をあげる 十月二十日前から
僕の存在は 此処 地上にあって
いつ終わってしまうのか どうやり過ごせばいいか
誰か近くにいますか

世界から見たら 僕なんてちっぽけなのに
感じる痛さだけは あまりにでかい
目には見えないものや ちょっとしたささくれも
一生消えない抉りも

青いこの星が くれるのはブルー
どんなカラフルも 透けてしまうような

※ウォーターランド
滔々と 気に入らない物も人も全部
水路に 流し さよなら
そんな魔法 いつの日か 
いらない できるのであればあげたい
水でなんか 流せない害意
それを人らは 熱を恐れずに
刻むことで表した

あの日からどうも背中を どこの誰かに
押されてるような 支えられてるような
空が夕焼けに染めて 月がピンク色して
でも水の色は青だけで

せっかく広い世界に産まれたのに
頭脳の行く先は 似たり寄ったり
馬鹿にできないものが 奥の底に落ちて
拾える人を探した

青いこの星が くれたのは憂い
それを晴らすべく 人に逢うのが whole life

※ウォーターランド
水妖 手に入らない物も人も全部
最初から 水で穏形
そこから微かに 見えたサブリミナル的な赤に
惹かれて 腕を伸ばす
それを人らは 愛と呼び立てて
必要な情だと意味付けた

いつしか水がなくてもいい世界に
水の絵を描く迂愚が1人
何色の絵の具で 綺麗に描くのか
はたまた醜く描くのか

※ウォーターランド
雨曝し 身にならない物も人も全部
隙間から 滴り ポツリ
そこから残った 青に混じって目に映った色に
魅せられて 緊張する
それを先祖は 恋と持て囃し
大切な情だと意味付けた

※ウォーターランドを
抜け出すか それとも壊して変えようか
ちっぽけなりに綴った
水面に反射する 2人だけの影を思い出した
忘れてなどいなかった
それを僕らは永遠と名をつけて
流せない悲劇を楽しんだ

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