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2023年10月に出会った音楽たち
Full Force / Måneskin / Bill Cantos / Halestorm / Nadishana / Big Big Train / 新しい学校のリーダーズ / Mandoo / Mina Okabe / 藤井風
ストリーミングが当たり前になって色々な音楽が聴きやすくなった一方で、一曲一曲を意識して聴く機会が減り、時代も何も関係なく薦められるがまま、出会うがままに聴くようになってきたので何かまとめたいという衝動がふつふつしてきた。
考えた結果単純な答えに辿り着く。
その月に出会ったり聴きたくなって聴いた曲をプレイリストにただ登録していく。なのでジャンルも時代も脈絡が無い、がボクにとってはその月の思い出の音楽たちだ。
そういう作り方なので2023年10月分はその月が終わると出来上がる。
Friends B-4 Lovers - Full Force (1989)
去年Spotifyにニュー・ジャック・スウィング(NJS)の曲たちを集めてプレイリストを作ったが、このジャンルはさほど詳しくなくてネットで調べて作ったものだったのでしっかり聴いてみたら魅力的な曲が眠っていた。NJS全盛期の1989年、フルフォースのヒット曲だ。
イントロの音色からして好み。こういうちょっと無機質なのに哀愁漂っちゃう音作りはボクの中では「ナイトライダーのテーマ」(1982)から脈々続いている流派と勝手に分類されている。NJSに限らずメロウなブラックミュージックはゴスペルの影響が強いように思います。そのゴスペルもR&Bの影響を受けて変わっていっているのでもうどっちがどうと言えないですが。
Don't Wanna Sleep - Måneskin (2023)
イタリアのロックバンド、マネスキン。Franz FerdinandとかArctic Monkeysとかの系統とくくると雑かしら。クセの強いボーカルが病みつく。未だに定義がよくわからないんですがオルタナティブ・ロックってやつですよね。
ちなみに「å」はドイツで生まれ、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン語で見られる文字。発音は「オ」に近いそう。ってことはモネスキンなのかな?
I'm a Believer - Bill Cantos (2023)
大好きなミュージシャンなのに新作が出ていることに気づいていなかった。
ビル・カントス。出会いはAOR界の重要ギタリスト・プロデューサーJay Graydonのソロ作、そしてその来日公演(1994)。歌声もピアノの腕前も何もかもが飛び抜けて素晴らしかった。彼はゴスペル、AOR、歌モノの王道ジャズなどを演奏してきているが、現在はブラジリアンジャズの色合いが強まっているっぽい。かつてKevyn Lettauのバックで演奏した曲もあったが、本曲もその頃の雰囲気。そういえばドラムを叩いているのはKevynでも共演していたMike Shapiroだ。ということで彼を知ってから約30年、その間に観ることができたのはたったの一度。来日の気配はない。会いに行かねばならない人だな。
Wicked Ways - Halestorm (2022)
おしゃれな曲たちに混じって野太いお姉さんの咆哮。Halestorm好きなんです。何が好きってボーカルのLizzy Haleの声だけで成り立ってるその一本槍なところ。このバンドのドラムが弟のArejay Haleだということなんてほぼ誰も知らないんじゃないか。この曲は2022年最新曲。2009年から聴いてるけども、Daft Punkを急にカバーした以外は何も変わらずド直球メタル。このまま続けてほしい。
Amber & Ice - Nadishana (2023)
今月一番のマニアック曲かも。まずこの楽器知らないでしょ。ハンドパンという楽器でしてハンドと付いてるくらいなので付いてないパンがあります。それがスティールパンという楽器でカリブの小国トリニダード・トバゴに行けばたくさんあります(無調査)。ドラム缶の底を加工して音程を作ったものがスティールパンで、澄んだキレイな音が出ます。そこにつけたリンクもそうですがリトル・マーメイドの「Under the Sea」のあの音です。
それと似た構造で2枚の鉄板を加工してくっつけてドラ焼き状にしたのがハンドパン。だいぶ適当な説明ですが後は動画を観てください。スティールパンが鉄琴ぽいのに対してハンドパンは打楽器の要素が強いのが分かると思います。
この楽器が好きで色々な動画を掘っている中で出会ったのがこのNadishanaさん。シベリア出身とのことなのでロシアの方ですね。ワタクシ調べ世界一ハンドパンが上手な方です。彼の演奏には空間描写がある。手の様々なところを当てて出すリズムの上を漂うメロディ、時折り畳み掛けるようなフレーズ(これがどうやっても真似できない)が入り曲にメリハリをつける。新曲が出ると必ず聴いちゃいます。似てる曲多いけどw
Haymaking - Big Big Train (2017)
マニアのためのジャンル、プログレですね。60年代後半にイギリスで登場したロックの一種で、クラシックの手法やジャズとの融合を行ったロックと説明されますが、簡単に言うと「めんどくさいロック」コレでいいと思います。5大プログレバンドとしてPink Floyd、Yes、Genesis、King Crimson、Emerson,Lake & Palmerが王道プログレと言われてて、ここから聴き始めると入門できます。このBig Big Trainは90年代から現在まで活動を続ける王道プログレの後継者、特にGenesisの色合いが濃い、というか聴き間違えるほどボーカルが似てるバンド、なんですが今回取り上げるのはボーカル抜きのインスト曲。
「Haymaking」とは「干し草づくり」。田園風景ですね。ミレーが描く世界ですね。14~19世紀ヨーロッパの風景描写(剣と魔法のファンタジー世界含む)は大好きなのでこの曲は大好物です。バイオリンが明るいメロディの主旋律を弾いてることもあって、GenesisよりもKansasに雰囲気が似てますね。そしてプログレに頻出する変拍子。7/8、7/8、7/8、4/4みたいに4拍子だけのポップスではあり得ないようなリズムを刻みます。変拍子がなぜプログレの代名詞になってるのかはよく分かりませんがプログレといったら変拍子です。リズムに乗れなくてもそのまま楽しんでください。
長くなってしまったのでプレグレはここまで。
キミワイナ'17 - 新しい学校のリーダーズ (2017)
那覇 国際通りから裏路地に入ったカレー屋「HICONA CURRY」でランチしてた際に流れてた曲。カレー曲Part1。店には「#カレーもヒップホップ」と書かれてましたがBGMはポップでした。tik tokで「オトナブルー」(2020)が流行ってる方々ですね。昭和テイスト漂う歌唱とキレのあるダンスパフォーマンスが評価されているそうです(wikiより)。昭和テイストには色んな要素があると思いますがメロディラインがシンプルであることはその一つでしょうね。8分音符より細かいことは言わず、音程もあっちこっちに飛んだりしない。みんなで大合唱するにはこれくらい単純であって欲しいもんです。
新しい学校のリーダーズにここで出会って以降、気にし始めたので次月以降また別の曲を挙げるかもしれません。
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Sweater Girl - Mandoo (2010)
那覇から羽田空港に帰ってきて「カレースマイル」でカツカレーを食べてたら流れてきた曲。カレー曲Part2。フランスのデュオMandooの2010年の曲。もう完全にあれですねSteely Dan風味のAOR。何度でも聴ける。
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Flashback feat. Daichi Yamamoto - Mina Okabe (2023)
日本人の母とデンマーク人の父を持つミイナ・オカベの最新曲。生まれはロンドンだそうで邦楽・洋楽の壁を簡単に飛び越えてくれる存在は嬉しいですね。Daichi Yamamotoもジャマイカ人の母と日本人の父を持つラッパー。
青山一丁目と表参道の間でしか流行らないと評した人もいたTicaの「顕微鏡」(2000)辺りからの系譜なのかなと思ってる無機質なバック演奏に息多めに力を抜いたボーカル。これ系はハズレなし。
花 - 藤井風 (2023)
最後に超ドメジャーアーティストを。イントロの話ですが「What a Fool Believes」路線ですね。この時点でアタリ確定。サビはいかにも藤井風ですが曲全体的にだいぶ脱力して柔らかい印象。Adoがゴリゴリに歌い上げてる中、脱力した歌声の曲もだいぶ幅利かせてきていて音楽はどんどん多様になっていくなぁと思うわけです。
こんな感じで続けられるといいな。