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海外移住すると視野が広がるのはなぜ?


世界地図は1種類ではない

下記の世界地図を見てください。何の違和感もない普通の世界地図だと思います。みなさんが子供の頃に最初に見た世界地図は、下記図①のようなものだと思います。


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【図① 日本中心の世界地図】


高校生の頃だったと思いますが、私はこれが日本でのみ流通している世界地図だと知りました。
ヨーロッパでは次の図②のような地図が一般的です。ヨーロッパが世界の中心にあります。


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【図② ヨーロッパ中心の世界地図】


私は地図②を見た時に衝撃を受けました。日本は世界の中心ではなかったのだ、と当たり前の事実を視覚的に認識したのです。そして私たちとは文字通り違う形の世界を見ている人々がいるという事実に感動しました。それまで日本を極東という意味が分からなかったのですが、この地図でようやくわかりました。


この地図が示すように、日本は世界の中心ではありません。外国人の中には、日本が中国の一部だと思っていたり、アジアは全部一緒というような、日本を特別視していない人もたくさんいます。しかし日本にいるままでは、そのような視点を持った人と関わる機会はほぼありません。


生まれてすぐの赤ちゃんは自分が世界の中心だと信じています。でもそうではないことを、他の人に囲まれ、交流することで理解していきます。自分が日本の視点しか知らないまま、他の国の立場に立った視点で物事を考えることができるのでしょうか?


想像力を使えばある程度できます。本を読んだり、体験した人の話を聞いたりすることで、それを自分の経験かのように自分の知識に取り込むことができます。しかし、通常それら第三者からの知識に頼った想像力には、限界があります。自分が体験して初めて腑に落ちることがたくさんあるのです。


海外移住すると視野が広がる理由


視野を広げる方法には二通りあります。

ひとつは、単純に、見る範囲を広げることです。多種多様な情報にふれ、自分の知識や経験を増やすこと。すなわち、外国に住むという事は、日本以外の文化に触れ、新しい知識や経験を増やすことに他なりません。

そしてもうひとつの方法は、自分の立ち位置を変えることで視点を変えることです。先述の地図の例で示したように、日本を中心に据えて物事をとらえる時と、日本を極東において物事をとらえる時では、文字通り、見える世界が異なります。

日本にももちろん様々な個性豊かな人々がいますが、外国に住むと、そのスケールを上回る多様な人と触れ合う事が可能となり、違う立場からの視点を学ぶことができます。それは物事の捉え方を二重にも三重にも増やし、視野を広げます。

例えば、私が今でも適応するのに苦労しているのは スケジュール管理です。ヨーロッパ人は、日本人に比べると、先の予定を立てるのがあまり得意ではありません。日本人の視点からすると長期的なスケジュールを立てない、もしくは守らないことに対して、責任感がない、いい加減であるととらえがちです。

プロジェクト管理のために、関係者間でスケジュールを毎週のように変更・更新するのは海外勤務ではよくあることでしょう。その一方で、ヨーロッパ人は突然の状況変化に瞬時に対応する柔軟性をもっています。彼らからすると、一度決定したことをすぐには変更したがらない日本人を、対応が遅い、融通が利かないと評価しがちです。このように同じ出来事でも、どちらの視点に立ってみるかでとらえ方は異なります。

自分の国は世界の中心ではありません。日本にだけ住んでいるとその視点を変更するのはなかなか難しいです。周りの日本人も全員その視点で固定されているからです。

文化の相違といいますが、日本が中心ではないスケールで問題を考えたことがありますか?

視野を広げることは、海外移住する直接の目的にはならないかもしれませんが、海外移住から得ることのできる大きな副産物です。

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