アイルランド人から聞いた8月のおすすめイベント3選
こんにちは、アイルランド在住会計士のつぐみです。
アイルランド人の友人に、8月にまつわるイベントはないかと聞いたところ、色々教えてもらえました。やっぱ餅は餅屋、アイルランドのことはアイルランド人に聞くのがいいですね。歴史的なイベントや活気あるイベントについて教えてもらえました!
① ルナサ(Lughnasa)
夏至は6月に訪れますが、ケルトの太陽神が8月に「ルナサ」をもたらします。
これはアイルランドに根付くケルト文化の4大祭りのひとつ。収穫の初物を祝う祭りであり、神話における農業や土地の女神タイルティウを讃える時期でもあります。
神ルグの継母であるこの女神は、ダブリン市内の中心を流れるリフィー川沿いから、アイルランド中心部を流れるボイン川沿いまでの土地の農業開発を促進し、ブラックウォーター川とボイン川が交わる場所で埋葬されたと言われています。
このルナサの名残として、8月最後の日曜日は、ガーランドサンデーやドムナック・クロム・ドゥブと呼ばれる地域の祭りが開催されます。人々は、丘や山の上に集まりピクニックをし、川辺のラズベリーや野草を摘み、ケルト文化の聖地や記念碑を訪れたり、伝統的な音楽や踊りを楽しんだりします。
このように、アイルランドでも農村地域に伝わる伝統的な儀式が今でも大切に引き継がれています。
アイルランドで最も有名な聖人、聖パトリックは古代の神々と結びつけられ、この時期には巡礼も行われます。クロアー・パトリックと呼ばれる巡礼は、山頂にある聖パトリック礼拝堂を目指して険しいシェールの斜面を登ります。さらに、タイルティウの旧会議所、現在はテルタウンと呼ばれる場所や、ルグにちなんで名付けられた地名でエリガル山の麓に集まるのもこの時期です。アイルランドの短い夏を味わう、古来の人々の夏の楽しみ方なのかもしれませんね。
さて、話はルナサに戻ります。
有名な演劇と映画『ダンシング・アット・ルナサ』は、アイルランドの農村生活の底流にある異教の影響を描いています。ブライアン・フリールが1990年に発表したこの作品は、彼の母親の小さな町を舞台に、1936年のドネゴールの豊穣な収穫期において、ルナサで踊る5人の姉妹の生活を描いています。抑圧されながらも情熱を燃やし続ける彼女たちの強さや勇気を描く、8月のアイルランドを象徴する作品です。
②ダブリン・ホースショー
作物の収穫期には家畜市場が開かれ、何世紀にもわたって続いてきたロイヤル・ダブリン・ソサエティの伝統、ダブリン・ホースショーが開催されます。
これは現代的な魅力持つ8月のイベントで、馬術界のトップと馬に関連するあらゆるものが集まります。2025年にはこの最大の馬術イベントが150周年を迎え、世界最大の賞金がかけられる国際障害飛越競技が開催されます。
ホースショーは1864年から続く大きな社交イベントであり、150以上の競技が行われ、世界中から最高の馬が競い合います。アガ・カーン・トロフィーは金曜日に授与されますが、木曜日には華麗なドレス、魅力的な帽子、豪華な装いがすべての人に披露されるレディースデーが開催されます。豪華な商品がもらえるベストドレッサー賞を目指し、華やかな衣装に身を包んだ女性たちが会場に溢れます。
③歴史的な家屋ツアー
特別なイベントやウォーキングツアーの際には、各地の名家旧家が公開されます。壮麗な建築を内側から見ながら、その建物や家族の歴史的背景を知ることができます。この特別な公開日は、古代の美と建築が保存されている様子を垣間見るための貴重な機会を提供してくれます。
たとえばこんなお家(お城)。
特に夏の間は多くのイベントが開催され、地元の記念碑や遺産地を訪れるハイキングツアーや食べられる海藻や野草を摘む植物観察ツアー、野鳥ウォッチングなどに参加することもできます。
アイルランドの8月、いかがでしたか?
私は個人的には8月に海外旅行をしたいとは思いません。アイルランドの涼しく美しい夏は、他のどの国にも負けない過ごしやすい夏だと思っているからです。
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このコラムは、海外在住日本人が綴るマガジンVACILANDOが出版する世界の12か月シリーズアイルランド版、「アイルランドの12月」に掲載予定のコラムです。今夏には出版予定ですので、応援よろしくお願いします!