アイルランドの7月に夏休みを満喫する
こんにちは、アイルランド在住会計士のつぐみです。
今年の6月は観測史上最高の良い天気だったアイルランドですが、7月は一転観測史上最高「雨量」の7月だったようです。
アイルランドの短い夏が早くも終わろうとしています。その前に、アイルランドの7月の楽しみに迫ってみましょう!
① 夏休みの始まりと子供のイベント
6月末から始まる夏休みは、アイルランドの家族たちにとって特別な時間です。2か月超、学校が休みとなるこの期間、親子で夏休みももちろん楽しいのですが、さすがに働く親達は2か月休暇を取るわけにはいきません。
そのため、夏休みの子供向けに開催されているのが、代表的なイベントが「キャンプ」。
テントで宿泊するキャンプではなく(それもあるけど)、1週間程度の夏季集中レッスンが、各地で開催されます。
テニス、水泳、器械体操、ダンスなど1週間同じスポーツを楽しむキャンプもあれば、何種類ものスポーツやアクティビティが楽しめる混合型キャンプなど短期コースが充実しています。
費用は一週間で、EUR 70-150程度。今年はどこに行くか、誰と行くか、を決めるのも毎年の子供たちの楽しみのようです。
また、驚くことに、ダブリン大学にて中高生向けのNihongoキャンプも開催されて盛況だったようです。日本人家族よりも、日本の文化に興味があり日本語を学びたい子供たちの参加が多かったよう。
世界経済における日本の地位の低下が叫ばれていますが、日本のアニメや漫画文化が衰退しない限り、少なくとも世界における日本の知名度が低くなることはない気がしています。
余談ですが、日本人のハーフのお子さんたちは、長い夏休みを利用し帰国し、日本の小学校に通う事も多いようです。日本語の勉強にもいいですし、日本の学校教育や文化を楽しむ機会(特に給食!)にもなるので、私もいずれ娘と挑戦したいです。
② ゲールタハト: アイルランドの言語と文化
ゲールタハトとは、アイルランドのゲール語圏のことで、観光シーズンでもある7月には、この地域で言語と文化の祭典が多く開催されます。アイルランドの歴史やアイデンティティが凝縮されたこの祭りは、ゲール語を話す人々の絆を深める場でもあります。
今年初めに話題となった、コリン・ファレル主演の「イニシェリン島の精霊」は典型的なゲールタハトを舞台とした、アイルランドの人間模様を描いた作品です。作品に登場するイニシェリン島は架空の島ですが、撮影は実際のアイルランドの島、アラン諸島で行われています。
個人的に映画の内容にはまるで共感できないのですが、舞台となった美しいアラン諸島の景観は見ていてとても癒されます。アラン編みのセーターの起源でもあるこの島々は、観光地として人気の美しい諸島なのです。
ほとんどのアイルランド人は日常的に英語を話します。ゲール語はアイルランドの歴史的言語であり、アイルランド西部の一部の地域のみで日常的に使用されている「消えゆく言語」なのです。
ゲール語の保護のため、義務教育においてもゲール語教育が取り入れられており、また首都ダブリンにおいてもゲーリック学校と呼ばれるゲール語で教育が行われる学校も存在しています。
アイルランドにおけるゲール語の義務教育は、かつての日本の英語教育のようで、長い時間をかけ学んでも、ゲール語を話せるようになる人はほとんどいません。そのため義務教育そのものについても、廃止すべきとの意見も多くあります。一方で、ゲール語はアイルランドの独自性と誇りを象徴する大切な一面でもあります。
③ 自然の美を楽しむ: トレッキングとハイキング
アイルランドは驚くほど多様な美しい自然が広がっています。7月の暖かな季節には、トレッキングやハイキングが最適です。ウィックロー山脈やカヒル山、カラントゥール山など、数々の素晴らしいハイキングスポットがあります。
私の一番のおすすめは雄大な景色が広がるアイルランド西部、コネマラ国立公園。その美しさはまるで絵画の中から抜け出してきたかのようです。アイルランドは高い山がないので、少し小高い丘に登るだけで絶景が広がります。丘の上から、緑豊かな草原が一望でき、点在する美しい湖が眼下に広がります。
ただし、アイルランドの自然を楽しむ際には注意が必要です。アイルランドの山は低いのですが、強風のため体感温度は夏でも非常に低いです。強風で飛ばされないように、岩に紐がついている個所もあります。
適切な服装や装備、ルートの確認を怠らず、また雨への備えも必須です!
とは言え、雨のトレッキングもアイルランドの醍醐味です!
アイルランドの7月は、夏休み真っ盛り。
言語と文化の祭典、美しい自然の中でのアウトドアアクティビティと、多彩な楽しみが広がっています。これからの季節、アイルランドの魅力を存分に満喫してみてくださいね。
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