
「中絶」「流産」どちらも経験して思うこと
今日は特に書きたいネタがなかったので、人生の振り返りとして過去の妊娠経験のことを書いてみようと思います。
「中絶とか流産って言葉を聞くと、気持ちがネガティブになる・・」
「中絶するなんてありえない」
という方は、どうかこの記事は読まないでください。
気持ちが沈んだりイライラするだけだと思うので(+_+)
とりあえず日記的な感じで、今日は過去の出来事を振り返りながら気持ちを整理していこうと思います。
気の向いた方はサラッと目を通してみてください。
私たち夫婦の価値観

私たち夫婦は8年ほど行動を共にしていますが、子供はいません。
「子供ができない体質」というわけではありません。
その証拠に、これまでに私は3回妊娠をしています。
流産2回、中絶1回です。
タイミングとしては、産もうと決心したときには流産し
どうしても産めないという時には順調に育ち、流産しませんでした。
(先生にこのまま安定期までいくと言われ、9週目で中絶しました)
このようなことを繰り返してきたので、さすがに20代後半からはピルで排卵を止め、妊娠しないようにしています。
私たち夫婦は「子供が嫌い」とか「子育てしたくない」という価値観を持っているわけではありません。
その真逆、です。
旦那は大の子ども好きですし(私はそこそこ)、子育てすることに憧れを持っています。
よく自分が親になったら、ああする、こうする、という話をやっています。
じゃぁ、なぜ子供を迎え入れないのか・・?
その答えは単純で
「子供を迎え入れる準備が整っていないから」です。
私たち夫婦はどちらも、貧乏な家庭で育ちました。
食べものに困るほどではありませんが、お金がないから
欲しいものが手に入らない
やりたいことができない
高いレベルの教育を受けられない
旅行にいけない
バイト代を家に入れないといけない
両親が共働きで、いつも疲れた顔をしている
このような家庭環境で育ちました。
もちろん命がけで産んで、育ててくれたことには感謝です。
そのおかげで今の私たちがいます。
でも「不自由さを感じながら子供時代を過ごした」ということは紛れもない事実です。
なので私たちの子育てに対しての価値観は完全に一致しています。
資金力が十分でない状態で子供を設けてしまうと、子供にたくさん我慢をさせてしまう。それでは子供が可哀そう。
それだけじゃない。
この厳しい時代を生き抜くための知恵とスキルを伝授できなければ、苦労ばかりの人生になる。下手をすれば一生社畜。最後は自殺か安楽死。
「自分は何のために生まれてきたのか」
そんなことを、考えさせてしまうことになる。
だから、全ての準備が整うまでは子供は迎え入れられない。
「資金力」と「個人で生き抜く力」このふたつを手に入れるまでは、私たちは子供はつくらないと決めています。
あとで話しますが「赤ちゃんとの約束」もあるので、もう目標に向かって突っ走るしかないです。
流産したときの話

20代の頃の私たちは大きな目標もなく、何となく生きてました。
ロクに貯金もせず、その日暮らしでした。
そんなときに妊娠していることが分かりました。
「え!まじか、まだまだ自由でいたかったけど、できたんだったら産んだ方がいいよね・・・」そのときは思考も浅く、その程度の考えでした。
旦那も同意してくれたので、産むということにすぐ決まりました。
その頃の私たちは、周りに流されていたというか「お金がなくてもなんとかなるよ精神」が染み付いていました。
よくいえば楽観的、悪くいえば無責任な楽天主義ですね。
あの頃は本当にバカだったので、不安な気持ちはそれほどありませんでした。
これから楽しみ!
それくらいにしか思っていませんでした。
それで産婦人科に通い、出産に向けて準備を進めるのですが8週目で赤ちゃんの心臓が止まってしまいます。
稽留流産(けいりゅうりゅうざん)でした。
想定外で驚きましたが、これが連続で2回起こりました。
親になる覚悟を2回も固めたのに、赤ちゃんはお腹の中で死んでしまいました。
1回目は亡くなった赤ちゃんを風呂場で、大量の血と一緒に産み落としました。(非常にお腹が痛かった)
旦那は数センチの小さな小さな赤ちゃんを、素手で持ち上げて悲しそうに見つめていましたね。(胎嚢に包まれているため赤ちゃん自体は見えない)
「次は元気に生まれてきてね!待ってるよ」
そう言ってくれました。
(ジップロックに入れて次の日病院に持って行った)
2回目の流産は、8週より早く本当に初期の段階で流れてしまいました。
私の体調管理が悪かったのかな、私たちの遺伝子って相性悪いのかな…。
とか色々考えましたが、自然にこうなってしまったので素直に受け入れるしかありませんでした。
悲しかったけど、そこまで落ち込むほどではありませんでした。
中絶したときの話

妊娠を何回も経験してきたので、私の中では最初、産む一択でした。
でも、その頃の私たちは完全に意識が変わっていました。
前半でお話した通りです。
本を読むようになり知識が増え、将来のことを本気で考えるようになっていました。
一生サラリーマンは嫌だ、個人で稼いでいきたい。
fireしたい。海外を飛び回りたい。
そればかり考えていた時期でした。
なので、子供ができないように気をつけていたのですが、それでも甘かったようで妊娠してしまいました。
うわー妊娠自体はめっちゃ嬉しいけど、目標が・・・。
でもせっかくきてくれたから、順調に育ってくれるなら産みたい・・。
それから一週間以上、話し合いに話し合いを重ねました。
二転三転どころではなく、「産む」「産まない」で5~6回ほど話が変わり、本当に頭を悩ませました。
旦那は
「最終的な決断は、お前に任せる」
「俺に決定権はない」
「もし産むなら、俺は子供のためだけに生きる」
「夢を追いかけるのは辞める」
「そしてお前も夢を諦めろ」
「俺たちが叶えたかった夢を、すべて子供に託そう」
と言いました。
抜け殻になるほど、悩みに悩みましたが、最終的に私は決断を下しました。
「準備を整えてから、赤ちゃんを迎え入れよう」
「私たちは必ず自由を手に入れる」
「赤ちゃんに約束しよう、目標を達成してから迎え入れるって」
「もしも約束を放棄した場合には、2人で死のう」
「2人で崖から飛び降りよう、そして地獄で赤ちゃんに泣いて謝ろう」
「赤ちゃんに許して欲しい、なんて言えない」
「約束を守るか、死んで謝るか、どっちかしかないと思う」
旦那は静かに目を閉じ、深呼吸したあとにこう言いました。
「うん、そうだね。そうしよう」
ギリギリまで迷い、決断が遅くなってしまったため赤ちゃんは9週目に入り2.3cmにまで成長していました。
院長先生にお願いをし、最後に夫婦ふたりでエコー映像を見せてもらいました。(この出来事を記憶に焼きつけるために)
私たちの赤ちゃんは、元気よく心臓を動かしていました。
ドグッ…ドグッ…ドグッ… 心音も聞きました。
最後にビクッと動く姿も見せてくれました。(胎動)
もう本当に気持ちが複雑で、ぼろぼろに泣き崩れてしまい
「やっぱり産みたい」「なんで自分の子供を殺さなきゃいけないの?!」とまた気持ちに収拾がつかなくなってしまい、中絶手術をドタキャンしそうになりました。
子供に罪はない、全ては私たちが悪い。
あぁだめだ、息ができない、苦しい、どうしようどうしよう。
手術目前で号泣、過呼吸になる私。
戸惑う看護師さんと先生。
頭を抱え込む旦那。
先生「どうしますか?手術はやめておきますか?」
私「・・・」
私「すいません大丈夫です、お願いします」
震える声で、私はハッキリと言いました。
涙が止まらないまま全身麻酔。
意識が飛ぶ。
手術開始。
もう色々とめちゃくちゃでしたが、予定どおり中絶手術は行われました。
ほとんど記憶がないのですが、麻酔から覚めた私は完全に覚醒していたらしく、ヒステリックに泣き叫び、点滴を自分で引き抜きベッドから降りようと暴れていたそうです。(恥ずかしい)
壁に頭を打ちつける、嘔吐。
もう色々と最悪で看護師さん2人と院長先生まで来ていました。
(本当にごめんなさい)
(先生いわくお酒に弱い人は麻酔にも弱いらしい..)
子宮は空っぽになったけど、頭の中はグチャグチャでした。
自分でも「よくこんな決断をできたな」と思いました。
赤ちゃんごめんね、赤ちゃんごめんね・・。
約束は絶対守るからね。お空の上で待っていて。
中絶手術から1ヶ月ほどはずっと赤ちゃんのことを考えて、毎日泣いていました。罪悪感と後悔が押し寄せてきて眠れない日も多かったです。
でも「こんなんじゃ赤ちゃんが報われない」「約束守るんだったら泣いてるヒマないよね?」と旦那からきつく言われ、それからはあまり泣かなくなりました。
そして気持ちが落ち着いてきた頃に、赤ちゃんに手紙を書きました。
エコー写真と一緒にフォトアルバムに入れ、今も大事に保管しています。
この出来事(赤ちゃんとの約束)があるので、私たちは何が何でも目標を達成させないといけないのです。
じゃないと、2人して崖から飛び降りることになります。
※個人差はあると思いますが、中絶はやはり女性が精神的にきます。
(これまで見てきた中絶をした友人達もそうでした)
(自分を責めたり、中絶したことを後悔してしまうのです)
相手男性のサポートも必要となってくるので、中絶手術の当日は相手男性は「付き添い」をするべきだと思います。
特に手術後は一緒にいてあげてください。
(病院によっては付き添いなしの同意書だけで中絶手術ができてしまう)
(事件性がある場合はもちろん相手男性の付き添い不要)
(未成年の場合は保護者の同伴が必要)
まとめ
ふぅ。
自分が歩んできた道とはいえ、思い返すと「自分勝手してきたなぁ」とつくづく思います。
なにが正解で、なにが不正解かは分かりませんが、自分で道を切り開き無理やりにでも正解にしていくつもりです。
反省はしても、後悔はしていません。
(ピルをもっと早い段階から服用しておけばよかった、赤ちゃんを殺してしまった、このふたつを反省しています)
前進あるのみです。
ついでにお話しますが
世の中には、中絶に対して冷たい印象を持っている方が多いです。
まぁそれはそうでしょうね、命を奪うのですから。
特に女性や、年配の方は抵抗が強いでしょう。
でも個人的には、「中絶=悪」とは一概に言えないと思っています。
「中絶するなんて子供がかわいそう、人として無責任だ」という意見ももちろん分かります。
でもね、
「将来的な展望もないまま、子供を世に産み落とす」のも
なかなかの無責任だと思うのです。
男女の自然な営みによる結果、出産できない状況に妊娠してしまうことは往々にしてあります。
なにも珍しくありません。
自然の摂理です。
少し古いデータですが
日本のデキ婚率は25.3%で、4人に1人は予定になかった妊娠をしています。
ちなみに私のふるさと沖縄は、デキ婚率が断トツ1位で42.4%です。
沖縄県の子持ち女性、半分近くが計画的に妊娠しているわけではなく「セックスをしたら子供ができてしまった」というのが現状です。
また、シングルマザー率も全国1位です。
全国平均の2倍とまで言われています。
(語弊が生じるかもしれませんが、ぶっちゃけると沖縄の人はコンドーム使わない派が多いと思います… 沖縄あるある的な…そして彼女が妊娠したら逃げる男普通にいる)
性教育の問題も大きいですが、とりあえず沖縄に限らず男女がくっつけば遅かれ早かれいつかは妊娠する可能性が高いです。
(それを理解し、しっかり避妊をするカップルは非常に優秀だと思います)
問題は、子供ができたらどうするかです。
「子供を幸せにしてあげる自信がある」方は、産む一択でいいと思います。
「自信はないけど、自分の人生を犠牲にしてでも子供を絶対に幸せにする」という考えの方も、産むという決断でいいと思います。
しかしそうではなく
「妊娠しちゃったから、とりあえず産む」とか「厳しいけど、まぁ何とかなるでしょ」という安易な考えで出産するのはどうなのかな?と個人的には思います。
虐待や育児放棄。
十分な愛情をもらえない子供たち(アダルトチルドレン)。
不幸で悲しい思いをする子供たちが、世の中にはたくさんいます。
子育てを軽視し無責任に出産すると、このような結果になりかねないのです。(昔の自分に強く言いたい)
それを考えると
「中絶=悪」と決めつけることはできないと思います。
「育てる環境、能力がないのに、子供を産み落とす」
それの方がよっぽど無責任でしょう。
子供に不幸な人生を歩ませるくらなら、最初から産まない。
これも、ひとつの責務だと思います。
私が自分を正当化しているように聞こえるなら、ごめんなさい。
少しそれもあるかもしれませんが、これは本当に思っていることです。
私は中絶に対して、偏見や差別はありません。
これは自分自身が中絶を経験する前から思っていたことです。
(周りに中絶した友達が何人もいます)
人にはそれぞれ事情があります。
当人たちがしっかり話し合って決断したことなら、それでいいじゃないですか。関係ない第三者がとやかく口を出すことではありません。
そのように思っています。
だから私は、中絶したことを隠して生きていくつもりはありません。
(言いふらすわけでもありませんが)
私たち夫婦は、我が子を殺した罪を背負いこれからも生きていきます。
ふぅ。
そんな感じです。
まとまりがなくて申し訳ありません。
もしも最後まで読んでくれた方がいたなら、ありがとうございます。
一気にここまで書き上げて、なんだか気持ちがスッキリしました。
記憶の整理ができてよかった。
今日は以上です。
また近々なにかしらの記事を更新しますね。
ではでは!!